林地残材を原料とした木製単層トレイの量産化に成功!

林地残材を原料とした木製単層トレイの量産化に成功!

タイトル林地残材を原料とした木製単層トレイの量産化に成功!
要約木製単層トレイの量産化装置の開発と自動製造ラインの設計を行い、スギ林地残材を原料として5千枚/日の量産化を可能としました。これにより、環境負荷の低い木製トレイの実用化に近づきました。
担当機関(独)森林総合研究所 木材特性研究領域
(独)森林総合研究所 加工技術研究領域
(独)森林総合研究所 木材改質研究領域
(独)森林総合研究所 企画部
区分(部会名)森林
背景・ねらいかつて経木や折り箱など多くの木製包装用品が用いられていましたが、そのほとんどがプラスチック容器に替わってしまいました。プラスチック容器は成型の容易さなど便利な点もありますが、原料には化石資源が使用されているため、廃棄や製造の際に多くの二酸化炭素が排出されています。そこで、再生可能な資源である木材、特にスギ林地残材(幹の根元の部分)を原料として木製単層トレイの製造技術の開発を進め、約5千枚/日の量産化が可能な成型プレス装置等の設備を開発するとともに自動化製造ラインを設計しました。本技術によって、環境負荷の低い木製トレイの実用化に近づきました。
成果の内容・特徴

木製単層トレイとは

かつて経木や折り箱など多くの木製包装用品が用いられていましたが、そのほとんどがプラスチック容器に替わりました。プラスチック容器は成型の容易さなど便利な点もありますが、原料には化石資源が使用されているため、廃棄や製造の際に多くの二酸化炭素が排出されています。そこで、再生可能な資源である木材、特にスギ林地残材(幹の根元の部分)を原料として(写真1)、環境負荷の少ない木製単層トレイの製造技術と量産化技術を開発しました。木製単層トレイとは、厚さ1~2mmの薄い板(単板)を、水分を含んだ状態で熱圧成型し、接着剤を使うことなく製造するもので(図1)、一枚の単板を成型して製品とすることで製造工程を簡略化します。木製トレイは原料自体が二酸化炭素発生源にならないばかりか、製造工程においても原料の輸送から製品の取り出しまでに消費されるエネルギーは32.4MJ/kg、二酸化炭素排出量は2.06kg-CO2/kgとなり、プラスチックトレイ原料となるポリスチレンペーパーと比較して、製造における二酸化炭素排出量を31%削減できます。食品トレイ市場の1%程度でも木製トレイが使用されれば、年間30億円規模の産業創出が見込まれ、さらに、未利用材の活用による地域材利用振興が進めば、地域経済の活性化に寄与できます。

木製単層トレイの製造工程と製造技術の特徴

量産化を可能とするため、原料軟化のための前処理の適正化と成型工程までの連続作業を自動化した成型プレス装置等を開発し、作業員2名で1日あたり5,000枚の製造が可能な単層トレイ量産成型自動化ラインを設計しました(図2)。原料のスギ単板は、25~55%の含水率域で、かつ辺材*の除去により効率よく成型できます(成功率70~80%)。
さらに、多様な形状の木製トレイの製造や成型不良率の低減等を図ることを目的に、密閉型プレスを開発し、1mm厚さのスギ単板を用いて深形のトレイ(写真2)が製造できることを示すとともに、木材らしさを現すために木目に沿って表面に凹凸を付ける製造方法を開発しました。
これらにより、環境負荷の低い木製トレイの実用化に近づきました。

マーケット調査による木製単層トレイへの評価

消費者に対してモニタリング調査を行ったところ、多くは環境配慮型製品として木製トレイの使用に好意的でした(図3)。木製トレイの質感及び環境に対する貢献への評価が高いことから、今後は木製単層トレイの環境性能をアピールし、さらに改善して普及を図っていきます。

本研究の一部は、新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業「木製単層トレイの量産化技術の開発」において、庄内鉄工株式会社と共同で実施しました。

*辺材
幹の外側の部分(内側(中心部分)は心材)で特別な着色がなく、通常含水率が高い。
具体的データ
写真1
写真2
図1
図2
図3
研究担当者高野 勉(木材特性研究領域)、久保島 吉貴(木材特性研究領域)、村田 光司(加工技術研究領域)、藤本 清彦(加工技術研究領域)、木口 実(木材改質研究領域)、片岡 厚(木材改質研究領域)、秦野 恭典(企画部)、庄内 豊(庄内鉄工株式会社)
発行年度2013
オリジナルURLhttp://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/seikasenshu/2013/documents/p28-29.pdf
収録データベース研究成果情報

研究成果情報アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat