北海道水田地帯における担い手農家の将来規模予測

北海道水田地帯における担い手農家の将来規模予測

タイトル北海道水田地帯における担い手農家の将来規模予測
要約北海道の水田集落では高齢農家の離農激化、担い手による急速な規模拡大が見込まれている。それを基に水田地域における農地の供給者、担い手を選定すると、2020年には大量の農地が供給され、担い手では家族経営の限界規模となるまでの拡大が予測される。
キーワード水田農業、構造変動、農業の担い手、農業センサス組み替え集計、将来予測
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター 水田作研究領域
連絡先011-857-9260
分類研究成果情報
背景・ねらい北海道の空知、上川は我が国最大の水田農業地域である。特に1980年代後半以降、高齢農家の増加、そのリタイア等を契機に農家数減少が激化し、いっそうの規模拡大が進んでいる。だが、最近では残る農家群でも後継者不在、労働力不足が進み、地域の農地維持問題も徐々に深刻化している。従って、将来における農家数減少の把握と同時に、担い手が集積する必要のある農地面積を見定める必要がある。

そこでまず構造変動要因として、農村集落調査から農地供給者となる農家、需要者となる担い手農家の性格を把握する。これをふまえ、水田地域を対象とした農業センサス個票組み替え集計から農地供給者、担い手を抽出し、地域における担い手の将来規模を示す。
成果の内容・特徴
  1. 図1に空知・岩見沢市旧K村・S集落構成員の将来動向(2011~2021年)を示す。 そこでは、高齢農家の農業者年金受給年齢65歳到達を主な契機とし、離農が多数発生する。一方、規模拡大志向者は同居農業後継者確保または最若手経営主の農家であるとともに、経営規模として15ha以上、また男子専従者2人確保の農家となっている。この結果、2021年における集落農家の平均耕地面積規模は2倍へと大幅な拡大が予測される。
  2. 以上の担い手の将来動向実態を踏まえ、農業センサス個票組み替え集計を用いた農地の供給者、需要者の選定手順は次の通り(図2)。供給者は同居農業後継者のいない経営主55歳以上農家とし、農業者年金受給開始年齢65歳でのリタイア、離農を設定する。需要者(担い手)は同居農業後継者がいる農家、及び後継者がいなくとも経営主50歳未満農家、かつ経営規模15ha以上とする。そして、需要者が供給者の農地総面積を全て引き受ける前提により、担い手農家の面積規模を予測する。
  3. 空知、上川における離農発生、供給農地面積シェアの将来動向(2010~2020年)として、5割前後の離農が発生し、地域農地の30%台が供給される(表1)。
  4. 空知、上川における担い手の面積規模(2010~2020年)は次のように予測される(表2)。即ち、担い手には現経営面積の1.7~1.8倍の農地集積が要請され、その経営規模も空知では26.1haから45.3haへ、上川では32.1haから58.8haへの拡大となる。
成果の活用面・留意点
  1. 空知、上川内部の市町村別集計も行っており、その予測結果を提供できる。
  2. 各市町村における「人・農地プラン」等の農業施策立案に活用できる。
  3. リタイア年齢を5年遅延させた70歳以上離農による予測も市町村別に行っており、その結果も提供できる。
  4. 担い手には農家以外の農業事業体を含んでおらず、同事業体については各地実態をふまえ、将来予測に反映させていくことが必要である。
具体的データ
図1
図2
表1
表2
予算区分交付金
研究期間2011~2012
研究担当者細山隆夫
発表論文細山(2012)北海道農業研究センター農業経営研究、106:1-100
発行年度2012
オリジナルURLhttp://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/harc/2012/114a0_01_01.html
収録データベース研究成果情報

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