統合型資源評価モデルの光と影:モデルの誤りが引き起こすデータ間の矛盾

統合型資源評価モデルの光と影:モデルの誤りが引き起こすデータ間の矛盾

タイトル統合型資源評価モデルの光と影:モデルの誤りが引き起こすデータ間の矛盾
要約国際漁業管理機関で資源量推定に広く利用されている統合型資源評価モデルでは、様々なデータを同時にとり扱える。そのため、個々のデータが持つ情報を有効に活用してより正確な評価を行うことが期待できるが、様々なデータを同時に使うことによる問題点も指摘されている。モデルの仮定に誤りがあった場合に、どのように資源量が誤って推定されるかを調べた。
担当機関(独)水産総合研究センター 中央水産研究所 資源管理研究センター 資源管理グループ
連絡先045-788-7645
区分(部会名)水産
専門資源評価
研究対象魚類
分類研究
背景・ねらい漁業資源を持続的に利用していくためには、海の中にいる魚の量(資源量)を知る必要がある。近年、国際漁業管理機関などでは,統合型資源評価モデルと呼ばれる資源量を知るためのモデルが広く利用されるようになっている。このモデルを使うと、漁獲物の体長や資源量の大きさの目安といった様々なデータを同時にとり扱えるため、個々のデータが持つ情報を有効に活用してより正確な評価を行うことが期待できる。しかし、様々なデータを同時に使うことによる問題点も指摘されている。本研究は、モデルの仮定に誤りがあった場合に、どのように資源量が誤って推定されるかを調べた。
成果の内容・特徴実際の魚の生活や漁業活動を再現し、仮想データを生成するコンピュータシミュレーションモデルを作り、それを使って統合型資源評価モデルが資源量をどの程度正しく推定できるかを評価した。この場合、真の資源量は分かっているので、モデルの良さを調べるのが容易になる。特に、年によって選択率が変化したのに、資源評価モデルでそれを考慮しなかった場合にどうなるかを検討した。その結果、年による選択率の増加を資源評価モデルで考慮しないと、近年の資源量が実際より大きく推定される傾向にあった。さらに、そのような資源量推定の間違いがおきている場合、推定に用いた個々のデータの間に矛盾がおこっていることが明らかになった(図)。これは、選択率の変化の結果として生じる複数の漁獲データの変化を、選択率の変化を考慮しない資源評価モデルが全てを同時に説明できないために生じていた。
成果の活用面・留意点図で示したようなモデル結果の診断を行なうことによって、資源量の推定結果に大きな影響を与えるモデルの仮定の誤りが発見しやすくなる。それにより、資源量を過大推定するリスクを回避し、適切な資源管理に貢献することが可能となる。
具体的データ
図1
予算区分交付金一般研究
研究期間2012
研究担当者市野川 桃子
発表論文Ichinokawa, M., Okamura, H. and Takeuchi, Y. (accepted) Data conflict caused by model mis-specification of selectivity in an integrated stock assessment model and its potential effects on stock status evalution. Fisheries Research
市野川桃子、岡村 寛、竹内 幸夫 (2013) 統合型資源評価の光と影:モデルの誤りが引き起こすデータ間の矛盾. 2013年度日本水産海洋学会. 口頭発表
発行年度2013
オリジナルURLhttp://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4610&YEAR=2013
収録データベース研究成果情報

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