低塩分海水による外傷魚の延命技術と閉鎖循環技術との組み合わせ

低塩分海水による外傷魚の延命技術と閉鎖循環技術との組み合わせ

タイトル低塩分海水による外傷魚の延命技術と閉鎖循環技術との組み合わせ
要約外傷やストレスのため斃死し易い漁獲魚を低塩分海水で蓄養したところ、生残率が改善されることをこれまでに見出した。本技術を閉鎖循環方式に適用したところ、これまでと同じく外傷魚の生残率が高まると共に、海水のアンモニア濃度は低い値で推移し、水質の面でも問題がなかった。このことから、低塩分海水による蓄養技術に閉鎖循環方式を適用することで汎用性の広い技術として期待できる。
担当機関広島県立総合技術研究所 水産海洋技術センター 水産研究部
連絡先0823-51-2173
区分(部会名)水産
専門加工流通技術
研究対象魚類
分類普及
背景・ねらい漁獲時に負った外傷やストレスのため、漁獲魚はへい死しやすいことが知られており、漁獲後直ちに〆て出荷されることが多い。漁獲外傷魚を活かすことができるようになれば、出荷調整や尾数を揃えた出荷が可能となり、魚価を有利にすることができる。
成果の内容・特徴1 漁獲現場における漁獲物を対象とした閉鎖循環飼育による低塩分蓄養の試み

 閉鎖循環技術と組み合わせて、低塩分海水による外傷漁獲物(オニオコゼ,マコカレイ,ススギ等)の生残率改善効果を調べた。流水区(全海水)、止水区(1/3海水)、閉鎖循環区(1/3海水)を設定し、蓄養7日間の有害なアンモニア態窒素の蓄積と生残率を比較したところ、流水区と閉鎖循環区のアンモニア態窒素は1~4mg/Lを推移した。止水区では4日目以降に50mg/Lに達したが、止水区での死亡は認められず、生残率は流水区、止水区、閉鎖循環区の順に27%、100%、100%であった。

2 漁獲されたクロダイを用いた閉鎖循環飼育試験

 外傷のあるクロダイを用いて低塩分蓄養試験を閉鎖循環技術のもと行なった。塩分16‰区、と33‰区(供に閉鎖循環飼育)を設定し、経日的に生残率を調べた結果、9日後に16‰区で100%生残し、33‰区では64%生残した(図)。引き続き、10日後の外傷率を調査した結果、1尾あたりの外傷箇所が2箇所以上である個体の割合は塩分16区で48.1%、塩分33‰区では88.9%であり、クロダイにおいて低塩分蓄養が外傷の回復もしくは悪化抑制に効果があることが示唆された(写真)。
成果の活用面・留意点本報告では、広塩性のクロダイを用いた試験で効果を評価しているが、狭塩性の魚でも外傷魚の延命効果は確認できており、漁業現場での広い活用が期待できる。また、閉鎖循環方式を適用することで、安定した活魚の管理が可能になると思われる。ただし、適用できるのは硬骨魚に限られるので注意を要する。本技術は特許出願中である(特願2011-65872)
具体的データ
図1
図2
予算区分県単
研究期間2011~2012
研究担当者御堂岡 あにせ、岩本 有司(広島県総合技術研究所水産海洋技術センター)、森田哲男、山本義久((独)水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所増養殖部閉鎖循環システムG))
発行年度2013
オリジナルURLhttp://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4663&YEAR=2013
収録データベース研究成果情報

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