異なる2方式の渦相関法によるメタン発生量測定値の互換性を確保するデータ処理手法の開発

異なる2方式の渦相関法によるメタン発生量測定値の互換性を確保するデータ処理手法の開発

タイトル異なる2方式の渦相関法によるメタン発生量測定値の互換性を確保するデータ処理手法の開発
要約オープンパス型とクローズドパス型という、異なる方式の渦相関法で得られたメタンフラックス測定値の互換性を確保するデータ処理手法を開発しました。本成果は、世界各地で渦相関法によって測定されているメタン発生・吸収量データの統合化に貢献します。
担当機関(独)農業環境技術研究所 大気環境研究領域
区分(部会名)農業環境
背景・ねらいメタン濃度計の性能向上により、渦相関法を用いた生態系スケールのメタンの発生・吸収量の測定が増加しています。渦相関法には、持ち運びや設置が容易なオープンパス型と装置が重厚で天候の影響を受けにくいクローズドパス型の2つの方式が存在しますが、方式間の測定値の互換性が明らかになっていませんでした。そこで、方式間で特に違いの大きい応答特性の補正(注)に着目して、2つの方式を比較し、フラックスの互換性を確保するデータ処理手法を検討しました。
成果の内容・特徴茨城県つくば市の水田で、オープンパス型とクローズドパス型の2台のレーザー分光メタン濃度計を超音波風速温度計と組み合わせて、2つの方式の渦相関法によるメタンフラックスの測定を行いました(図1)。
  1. オープンパス型では、濃度計の光路長が長いため、1秒より短周期の変動が測定できず、フラックスを平均で11%過小評価していました。一方、クローズドパス型では、空気が濃度計に到達するまでに、配管内で10秒より短周期の濃度変動が減衰するため、平均で37%過小評価していました(図2)。この過小評価の差がフラックスの測定値の互換性を低くする原因でした。
  2. 応答のよい超音波風速温度計の信号を基準として、各方式のデータを補正し、理想的な応答特性を復元することができました(図2)。この補正手法を適用することで、オープンパス型とクローズドパス型の系統的な差異は実用上問題ない程度に小さくなり、2つの方式の測定値が十分に互換性を有することを確認しました(図3)。

(注)測器や測定方式の制約のために正確に測定できない短周期(高周波数)の変動のフラックスへの寄与分を、データ処理の段階で復元し、フラックスの過小評価を補正すること。
成果の活用面・留意点本研究は、JSPS科研費23248023および環境省地球環境保全試験研究費「センサーネットワーク化と自動解析化による陸域生態系の炭素循環変動把握の精緻化に関する研究」による成果です。
具体的データ
図1
図2
図3
研究担当者小野圭介(大気環境研究領域)、間野正美(大気環境研究領域(現:千葉大学))、宮田 明(大気環境研究領域)、岩田拓記(京都大学)、小杉緑子(京都大学)、坂部綾香(京都大学)、高橋けんし(京都大学)
発表論文1) Iwata et al., Boundary-Layer Meteorol., 151: 95-118 (2014)
発行年度2013
オリジナルURLhttp://www.niaes.affrc.go.jp/sinfo/result/result30/result30_66.html
収録データベース研究成果情報

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