高アミロース米による新規食品素材「米ゲル」

高アミロース米による新規食品素材「米ゲル」

タイトル高アミロース米による新規食品素材「米ゲル」
要約高アミロース米を粒のまま水を加えて炊飯・糊化させ、高速せん断撹拌をする「ダイレクトGel転換」により、ゲル状の食品素材が調製できる。米粉に加工する必要がないため、低コスト化が可能で、洋菓子やパン、麺など多彩な用途に利用できる。
キーワード高アミロース米、糊化、高速せん断撹拌、ゲル、高付加価値
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 食品工学研究領域
連絡先029-838-7991
分類主要普及成果
背景・ねらいわが国の食料自給率が低下した要因の一つに、主食としての炊飯米(ご飯)の消費が減少し、輸入穀物を主原料とする食品(パン、麺等)が増加したことがある。これに対し、生産コストの低減が期待される高アミロース米を原料として、独自の加工技術で食品素材に転換し、目的に合わせた2次加工を施すことで、米の新規需要開拓を図るともに、これまでにない高付加価値食品の製造技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 米を製粉せずに粒のまま水を加えて糊化させ、高速せん断撹拌を施す「ダイレクトGel転換」技術により、通常の米(たとえばコシヒカリ等の中アミロース米)ではペースト状になるが、高アミロース米(モミロマン)の場合は、全く異なるゲル状の物質「米ゲル」が生成される。(図1)(図2)
  2. 高アミロース米(モミロマン)で調製した試料は、プルプル感のテクスチャーを保持した弾性体のゲルを形成する。一方、同条件で加工しても、コシヒカリ、ヒメノモチとアミロース含量が低くなるほど、流れる性質を持った粘性体を示す。(図2)
  3. 本技術により製造される米ゲルは、水分量等を調整することで、やわらかいゼリーから、高弾性のゴム状のものまで、幅広く物性の制御が可能であるため、プリン、ムース、クリーム、パイ等の多様な食品の製造ができる。シュークリームのシューとクリームの原料の小麦粉をすべて米に置き換えることも可能である。(図3)
  4. 様々に物性を制御できることから、卵、油脂等の使用量を減らした洋菓子類が製造できるので、低カロリー食品の開発が可能となり、小麦・卵を使わない食品への利用も期待される。
  5. バッチ生産であれば、中小の事業者が実施することも可能であり、地域産の米を利用した高付加価値商品の開発などを通じて、農業の6次産業化の推進への貢献が期待される。
  6. 米ゲルを食品素材として、加熱、冷却、冷凍、加圧・減圧、加水、乾燥、撹拌制御、材料添加により、洋菓子をはじめ、パンや麺など、様々な代替食品素材あるいは加工食品を作ることが可能である。
普及のための参考情報
  1. 普及対象:生産者組織、直売所、民間食品企業、商社、介護・医療施設
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:国内のみならず、海外への製品輸出も視野に入れ、複数の民間企業と実用化を検討中。3件の関連特許を出願済で、広く実施許諾が可能。
  3. その他:今後、ゲル化現象の機構の解明に向けての研究を進めるとともに、民間企業と連携し、大量生産技術、物性制御技術の高度化、民間企業での製品開発を促進する。
具体的データ
図1
図2
図3
予算区分実用技術
研究期間2012~2013
研究担当者杉山純一、藤田かおり、柴田真理朗、蔦瑞樹、粉川美踏(東大農)
発表論文1)柴田ら(2012)食科工誌、54(5):220-224
特許出願(公開)杉山ら「米加工素材およびその製造法」特開2013-70663
発行年度2013
オリジナルURLhttp://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nfri/2013/13_064.html
収録データベース研究成果情報

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