温風導入型オープントップチャンバーによる圃場高温処理法

温風導入型オープントップチャンバーによる圃場高温処理法

タイトル温風導入型オープントップチャンバーによる圃場高温処理法
要約温風導入型オープントップチャンバーは遮光の影響を少なくしながら太陽エネルギーのみを利用して人工熱源を用いずに昼温を均一に上昇させることができる。この方法は低コストで多数のサンプルを高温処理できるため白未熟粒の発生比較が可能である。
キーワード高温処理、風向、水田、太陽光
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター 水田作研究領域
連絡先084-923-4100
分類研究成果情報
背景・ねらい水稲の登熟期の気温上昇により、コメの品質低下が問題となっている。高温耐性系統の選抜や、高温登熟に強い栽培法の確立のためには、夏期が低温な年にも対応可能な、圃場で安定して高温登熟条件を作り出すことができる高温処理法が不可欠ある。しかし、既存の高温処理法には、一長一短があるため、被覆等による遮光の影響を避けて、低コストで簡便に、かつ、大量のサンプルを安定的に処理できる圃場高温処理法が求められている。そこで、太陽エネルギーを活用した、圃場高温処理法の確立に取り組む。
成果の内容・特徴
  1. 温風導入型オープントップチャンバー(以下OTC-SAT)は、圃場をビニールで取り囲んだオープントップチャンバーの定常風の風上側に、かまぼこ型の温風導入路と傾斜壁、風下側に排気路を付加した構造を持つ(図1)。温風導入路で空気が通過する間に太陽光によって暖められた空気が移動することにより、チャンバー内の温度を上昇させる。傾斜壁と排気路はチャンバー内の整流を目的とする。チャンバーの上面が開いているため、太陽高度が高い時間帯では、ビニールによる遮光の影響が少ない。
  2. 小型排気路を付加したOTC-SATでは、導入路側から排気路側に向けて温度勾配を生じるが、風に直角な方向では、温度ムラが生じない(図2)。したがって、風に直角な方向に幅を拡張することによってOTC-SATの処理面積を拡大することが可能である。これにより、側壁の影響を受けにくい面積が増大する。また、年次が異なっても概ね同じ温度勾配が得られる。
  3. 排気路の大型化により、温風導入路付近の温度上昇が小さくなり、小型排気路と比較して、チャンバー内の風向方向の温度勾配を大幅に軽減する効果が得られる(図3)。
  4. OTC-SATで高温処理した高温登熟耐性の基準品種の白未熟粒発生の大小は、既存の処理法と同じ傾向となる(表1)。
  5. OTC-SATは、「コスト」、「効果の安定性」、「処理サンプル数」および「遮光の回避」の点において他の処理法と同等ないし優れた高温処理法である(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 本研究は、昼に北からの卓越した海風が吹く新潟県上越市の水田圃場で、南北を条方向として移植栽培により行った。本高温処理法は、昼の風向が安定している地域に適するが、昼の風向が不安定な地域には不向きである。
  2. 本高温処理法による温度上昇効果は、昼温に限定され、夜温には効果がない。夜間の高温処理を行う場合には、他の熱源を使用する必要がある。
具体的データ
図1
図2
図3
表1
予算区分交付金
予算区分委託プロ(気候変動プロ)
研究期間2010~2013
研究担当者千葉雅大、寺尾富夫、長田健二
発表論文Chiba M. and Terao T. (2014) Plant Prod. Sci. 17(2):152-165
発行年度2013
オリジナルURLhttp://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/warc/2013/warc13_s04.html
収録データベース研究成果情報

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