大型陸上水槽でのクロマグロ人工3歳魚の産卵

大型陸上水槽でのクロマグロ人工3歳魚の産卵

タイトル大型陸上水槽でのクロマグロ人工3歳魚の産卵
要約 平成25年5~6月に大型陸上水槽(直径20m、深さ6m)2面に、クロマグロ人工2歳魚を収容した。水槽では海面生簀で産卵実績のある環境条件を参考に、水温と日長の制御を行いながら親魚養成技術開発を実施したところ、水槽2面でそれぞれ平成26年5月16日と21日に産卵した。産卵水温はいずれも20~21℃であった。その後産卵は8月末までほぼ連続的に継続し、合計1000万粒以上の受精卵を採卵した。
担当機関(独)水産総合研究センター 西海区水産研究所 まぐろ増養殖研究センター 成熟制御グループ
連絡先095-860-1631
区分(部会名)水産
専門増養殖技術
研究対象まぐろ
分類普及
背景・ねらい クロマグロ養殖は天然幼魚(ヨコワ)を利用しているため、天然資源保全の観点から人工種苗の安定供給が急務である。しかし、現状の海面生簀での採卵は自然環境条件(水温、光量等)の影響が大きいため不安定である。西海区水産研究所は平成24年度末に完成した大型陸上水槽を用いて、環境条件(日長、水温)を人為的に制御する事により安定的に受精卵を採卵する技術の開発に取り組んでいる。
成果の内容・特徴 平成25年5~6月に奄美庁舎の海面生簀で飼育した人工2歳魚を活魚輸送船(300トン)で輸送して、大型陸上水槽(直径20m、深さ6m、図1)2面に各63尾 (平均体重14.5kg)を収容した。海面生簀での親魚の成熟・産卵実績のある海域の自然環境条件を参考に水温(17.8~27.8℃)と日長(明期が約 10.5~15時間)の制御を行いながら、親魚養成技術開発を実施した(図2)。水槽内に産卵された卵は、水槽壁に設けられた排水用の穴を経由して海水とともに隣接した採卵槽内のネットでろ過収集する手法を採用した(図3)。平成26 年5 月16 日の17時50分に水槽2面のうち1面で飼育していた満3歳魚(推定平均体重28kg、35尾生残、図4)が初めて産卵し、受精卵を確認した(図5)。もう1面の水槽でも5月21日に初回産卵を確認した(38尾生残)。産卵水温はいずれも20~21℃であった。その後、産卵は8月末までほぼ連続し、この間、合計1000万粒以上の受精卵を採卵した。産卵期間を通し受精卵の平均正常ふ化率は87.9%であった。
成果の活用面・留意点 本成果は、太平洋クロマグロの資源管理の強化方策に伴い、養殖用原魚を人工種苗で賄うための種苗生産における起点となる安定採卵技術の開発に大きく貢献する。また、これらの知見は、自然環境条件に左右されないクロマグロ親魚の成熟・産卵条件の適正化が可能になることも同時に期待される。
具体的データ
図1
図2
図3
図4
図5
予算区分農林水産技術会議委託費
研究期間2012~2016
研究担当者岡雅一、玄浩一郎、高志利宣、樋口健太郎、澤口小有美、鈴木絢子、小西淳平、辻田明子、塩澤聡、森岡泰三、久門一紀、田中庸介、橋本博、江場岳史、樋口理人、虫明敬一
発行年度2014
オリジナルURLhttp://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4850&YEAR=2014
収録データベース研究成果情報

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