鹿児島県におけるノカルジア症の発生傾向と治療対策に関する研究

鹿児島県におけるノカルジア症の発生傾向と治療対策に関する研究

タイトル鹿児島県におけるノカルジア症の発生傾向と治療対策に関する研究
要約 鹿児島県のノカルジア症の近年の発生状況を整理すると共に、Nocardia seriolae野外分離株のα-グルコシダーゼ活性とMIC値の関連性について調査した。併せてカンパチ当歳魚に本生菌を10CFU/fishとなるよう接種し、承認薬とそれ以外の薬剤について治療試験を行い、有効な治療投薬方法の検討と既承認以外の薬剤の有効性の検証と効能拡大の可能性について探索した。
担当機関鹿児島県水産技術開発センター 水産食品部
連絡先0993-27-9200
区分(部会名)水産
専門病理
研究対象魚類
分類研究
背景・ねらい ノカルジア症はブリ属養殖魚で最大被害の感染症であるが有効なワクチンが未開発で、サルファ剤の治療薬があるに過ぎない。そこで、薬効を現場評価できるREMA法により、承認薬スルファモノメトキシン(SMM-Na)に対する野外分離株の薬剤感受性を評価するとともに、最適治療方法の確立に向けたSMM-Naの治療投薬方法の検討とエリスロマイシン(EM)、塩酸オキシテトラサイクリン(OTC)による治療の可能性を探索した。
成果の内容・特徴1 疫学調査

1)発生傾向:2004~2013年度の鹿児島県におけるノカルジア症の診断割合は全診断件数の9.9%で、近年、増加する傾向にあった。本症は県内ほぼ全域で発生が確認され、ブリ類全体では夏季から秋季にピークが見られたが、カンパチでは4~7月の種苗導入時期にも発生が確認される傾向にあった。

2)Nocardia seriolaeの野外分離株のα-グルコシダーゼ活性とMIC値の関連性調査:既発生野外分離株のSMM-Naに対するMICの最大値は32μg/mLで,現時点では耐性菌は存在しないものと推察された。α-グルコシダーゼ活性の有無とSMM-Na、OTC、EMの薬剤感受性には密接な関連性があり、当該活性のモニタリングは、既承認薬耐性菌の出現の有無を評価する上で有益な指標に成り得るものと思われた。α-グルコシダーゼ陽性株の魚種別確認状況では、カンパチが最も多く、確認された全11株のうち10株は当歳魚で、4~8月に多く確認された。

2 薬剤治療試験:カンパチ当歳魚にNocardia seriolaeの生菌を10CFU/fishとなるよう接種し、SMM-Na 、EM、OTCについて治療試験を行った結果、EMはSMM-Naとほぼ同等の治療効果が、OTCは治療効果が低いことが示唆された。
成果の活用面・留意点 本研究によりノカルジア症の既承認以外の薬剤の治療効果が示唆されたことから、効能拡大に向けた今後の研究開発が期待される。
具体的データ
図1
図2
図3
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図5
予算区分国庫
研究期間2011~2013
研究担当者柳 宗悦
発表論文柳宗悦,前野幸二,吉田照豊,嶋原佳子:養殖ブリの再興感染症(ノカルジア症)の薬剤治療に関する研究.平成24年度養殖衛生管理問題への調査・研究成果報告書,養殖衛生対策推進協議会,31-48.
発行年度2014
オリジナルURLhttp://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4768&YEAR=2014
収録データベース研究成果情報

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