黄化えそ病抵抗性を有する中間母本「きゅうり中間母本農7号」

黄化えそ病抵抗性を有する中間母本「きゅうり中間母本農7号」

タイトル黄化えそ病抵抗性を有する中間母本「きゅうり中間母本農7号」
要約「きゅうり中間母本農7号」は、黄化えそ病に対して中程度の抵抗性を有する。黄化えそ病抵抗性には複数の遺伝子が関与し、抵抗性は不完全優性に遺伝する。黄化えそ病抵抗性品種を育成するための素材として利用できる。
キーワードキュウリ、黄化えそ病抵抗性、メロン黄化えそウイルス、ミナミキイロアザミウマ
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所 野菜育種・ゲノム研究領域
連絡先050-3533-3861
分類研究成果情報
背景・ねらい黄化えそ病は、九州、四国、東海および関東地域のキュウリ産地に深刻な被害を及ぼし、その発生地域は拡大傾向にある。本病はメロン黄化えそウイルス(MYSV)によるウイルス病で、ミナミキイロアザミウマによって媒介される。MYSVに感染したキュウリは葉にモザイク、退緑斑点、黄化およびえそなどの症状を示す。加えて、一部の果実にも退緑斑点やモザイクなどの症状を生じ、収量低下と商品果率低下の原因となるが、抵抗性品種は育成されていない。そこで、黄化えそ病抵抗性を有する中間母本を育成し、抵抗性品種育成への道を拓く。
成果の内容・特徴
  1. 「きゅうり中間母本農7号」は、黄化えそ病抵抗性を有するキュウリ系統27028930と固定品種「ときわ」を交雑したF5世代にF1品種「アンコール10」を交雑し、抵抗性検定による選抜と自殖を繰り返すことにより、黄化えそ病抵抗性および主要形質を固定させた中間母本である(図1)。
  2. 「きゅうり中間母本農7号」は、罹病性品種に比べて病徴は弱いが、MYSVに全身感染するため黄化えそ病に対して中程度の抵抗性を有する。さらに、キュウリ系統27028930を上まわる抵抗性を示す(表1)。
  3. 「きゅうり中間母本農7号」と罹病性「きゅうり中間母本農4号」を交雑したF1の発病評点は、両親のほぼ中間の値を示す。また、そのF2集団における発病評点は幅広い分布を示すことから、黄化えそ病抵抗性には複数の遺伝子が関与し、抵抗性は不完全優性に遺伝すると推定される(図2)。
  4. 幼苗期にMYSVに感染すると、罹病性品種は5~7割程度の減収になるのに対して、「きゅうり中間母本農7号」は1~2割程度の減収に抑えられる。また、「きゅうり中間母本農7号」の果実には、MYSVの感染に起因するモザイクなどの症状は見られない(表2)。
  5. 主枝の長さは短く、側枝の発生率は高い。性表現は混性型で、単為結果性を有する。果皮は濃緑色で、果実基部に首があり肩こけが認められる(図1、表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 本品種の黄化えそ病抵抗性は不完全優性に遺伝するため、「きゅうり中間母本農7号」と同程度の抵抗性を持つF1品種を育成するためには、両親への抵抗性付与が必要である。
  2. 本品種を用いた交雑後代ではMYSVを接種すれば発病するが、接種の条件により発病がみられない個体が出現する場合があるので注意する。
具体的データ
図1
表1
図2
表2
予算区分交付金
予算区分委託プロ(ゲノム)
研究期間2006~2014
研究担当者杉山充啓、川頭洋一、下村晃一郎、吉岡洋輔、坂田好輝、吹野伸子、野口裕司
発表論文1)杉山ら(2013)園学研、12(3):255-261
2)杉山ら「きゅうり中間母本農7号」 品種登録出願予定
発行年度2014
オリジナルURLhttp://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/vegetea/2014/vegetea14_s05.html
収録データベース研究成果情報

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