末梢単核球中ISG15遺伝子発現量によりウシ胚の生存性をモニタリングできる

末梢単核球中ISG15遺伝子発現量によりウシ胚の生存性をモニタリングできる

タイトル末梢単核球中ISG15遺伝子発現量によりウシ胚の生存性をモニタリングできる
要約ウシ末梢単核球中ISG15 mRNA発現量は、子宮内に投与したインターフェロン・タウ(IFNτ)量と正の相関を示す。この末梢単核球中ISG15 mRNA発現量をモニターすることで、牛の妊娠認識時期における胚の生育(生死)状態を把握することができる。
キーワードIFNτ、ISG15、胚死滅、妊娠認識時期、ウシ
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 家畜飼養技術研究領域
連絡先029-838-8611
分類研究成果情報
背景・ねらいウシ低受胎の要因の一つは胚死滅であり、胚死滅は妊娠早期に生じると考えられているが、そのメカニズムは未だ解明されていない。そこで本研究では、妊娠早期に生じる胚死滅のメカニズムを解明することを目的とし、母体末梢血中妊娠特異的遺伝子の一つであるInterferon-stimulated gene 15-kDa protein (ISG15) の発現量を指標として、牛の妊娠認識時期における胚の生存性をモニタリングする方法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. インターフェロン・タウ(IFNτ)投与により、ISG15遺伝子発現量は増加し、投与後4時間でピークを示した後、徐々に投与前のレベルまで減少する(図1)。
  2. IFNτ投与量とIFNτ投与4時間後におけるISG15遺伝子発現量との間に正の相関が認められることから(図2)、胚のIFNτ分泌量は末梢単核球中ISG15遺伝子発現量を測定することで推定可能である。
  3. 一般的に妊娠認識時期に胚が死滅した場合には「早期胚死滅」(発情回帰日数が25日未満)、それ以降に死滅した場合には「後期胚死滅」(発情回帰日数が25日以上)と呼ばれることが多い。発情後18日目における末梢単核球中のISG15 mRNA発現量は受胎した牛で増加する一方で、不受胎であった牛(発情回帰日数が25日未満)では変化しないことから、早期胚死滅の場合には的確に判断できる(図3)。
  4. 胚移植後に不受胎で発情回帰日数が25日以上50日未満だった牛では、発情後18日目における末梢単核球中のISG15 mRNA発現量が若干増加することから、後期胚死滅の場合には本成果情報の適用外である(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 末梢単核球中ISG15 mRNA発現量をモニターすることで、牛の妊娠認識時期における胚の生育(生死)状態を把握することができる。
  2. 後期胚死滅の場合には適用できない。
具体的データ
図1
図2
図3
予算区分交付金
研究期間2011~2012
研究担当者松山秀一、小島孝敏、木村康二
発表論文Matsuyama S. et al. (2012) Reprod. Biol. Endocrinol. 10: 21
発行年度2014
オリジナルURLhttp://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nilgs/2014/nilgs14_s08.html
収録データベース研究成果情報

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