山形県内で最近10年間に発生した牛の下痢症に関する調査

山形県内で最近10年間に発生した牛の下痢症に関する調査

タイトル山形県内で最近10年間に発生した牛の下痢症に関する調査
要約山形県内において発生した牛の下痢症の原因は、牛の飼養目的や年齢によって異なり、特に成牛では牛コロナウイルス、子牛では牛ロタウイルスAによるものが多い。また、子牛では病原体が検出されない症例も多数存在する。
キーワード山形県、牛、下痢症、病原体検出頻度
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 ウイルス・疫学研究領域
連絡先029-838-7708(情報広報課)
分類研究成果情報
背景・ねらい下痢による牛の経済的損失は重大な問題である。牛の下痢症には大きく感染性と非感染性の要因が関わっているが、しばしば両者は複雑に作用して、重篤な症状を引き起こす。感染性の要因にはウイルス、細菌、寄生虫などの病原体が挙げられるが、飼養目的や年齢別にそれらの罹患状況を体系的に調べた研究はほとんどない。そこで、本研究では山形県内で2002年から2011年までに発生した牛の下痢症例(302例)を対象に、病原体を検査し、飼養目的や年齢による検出頻度の相違について解析する。
成果の内容・特徴
  1. 乳用成牛の下痢症例(123例)では、牛コロナウイルスが大半の症例から検出され、次いで牛ロタウイルス(ロタウイルスA、B、Cを含む)(図1A)。さらに、肉用牛ではほとんど見られないサルモネラ菌の検出が上位を占める。
  2. 乳用子牛の下痢症例(36例)では、牛ロタウイルスAが約40%の症例から検出され、次いで牛コロナウイルス、大腸菌の順となっている(図1B)。一方、病原体を特定できない症例が約40%を占め、子牛の下痢症には非感染性の要因も深く関与している。
  3. 肉用成牛の下痢症例(40例)では、牛コロナウイルスが大半の症例から検出され、また、コクシジウムも頻繁に検出される(図1C)。
  4. 肉用子牛の下痢症例(103例)では、牛ロタウイルスA、大腸菌、牛コロナウイルスの順で病原体が検出されるが、病原体が特定できない症例が半数以上を占めている(図1D)。
成果の活用面・留意点
  1. 牛の下痢症に対する検査の際には、発生時期や症状に加えて、牛の飼養目的や年齢に応じて原因となる病原体が異なることを念頭に入れておく必要がある。
  2. 大規模かつ継続的な調査は、各都道府県レベルのみならず、全国的な流行状況を把握する上で重要であり、対策の強化に有用である。
具体的データ
図1
予算区分競争的資金(厚労科研費)
研究期間2013~2014
研究担当者鈴木亨、馬渡隆寛(山形県)、平野かおり(山形県)、池田秀利(日獣大)、恒光裕
発表論文Mawatari T. et al. (2014) Microbiol. Immunol. 58:530-535
発行年度2014
オリジナルURLhttp://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/niah/2014/niah14_s03.html
収録データベース研究成果情報

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