イノシシの出現頻度は避難指示の有無と関係がない

イノシシの出現頻度は避難指示の有無と関係がない

タイトルイノシシの出現頻度は避難指示の有無と関係がない
要約2013~2014年の福島県のイノシシ出現頻度は、避難指示と関係がない。しかし、出現時間帯には避難指示区域において人間活動の低下による変化が認められることから、被害リスクは徐々に増加している。
キーワード営農再開、獣害、避難指示区域、原子力発電所事故、自動撮影調査
担当機関(国)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター 農業放射線研究センター
連絡先024-593-6176
分類研究成果情報
背景・ねらい東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う避難指示区域の営農再開においては深刻な獣害の発生が懸念され、被害対策としての駆除努力増強が強く求められている。この背景は、当該地域においてイノシシが異常に増殖しているという不確かな認識が広まったことや、東北地方全体が獣害の深刻化が比較的遅かった地域であったことなど、被害リスクの科学的評価と効果的な対策手法への理解の不足によるものと考えられる。そこで避難指示区域内と近隣の区域外に自動撮影カメラ30台を設置して、イノシシ出現頻度および時間帯をモニタリングすることで被害リスクを評価する体制を構築し、科学的根拠に基づいた実効性ある対策方針を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. イノシシの出現が多い場所と少ない場所は、避難指示の有無と関係がない(図1)。
  2. 避難指示区域内のイノシシの出現時間帯は、近隣の区域外よりも昼間に近い(図2)。避難指示による人間活動の低下によって、イノシシが警戒を解きつつあるためと考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. 営農再開における獣害対策においても、一般的な侵入防止柵の運用や農地周辺の整備などを徹底すべき根拠として活用できる。
  2. 本成果は2013年8月~2014年7月(震災後2.5~3.5年)のモニタリング結果を解析したものであり、今後も時間経過にしたがってイノシシの出現状況は変化していくと考えられる。
  3. 本成果で用いた避難指示の種別は、上記モニタリング期間中のものである。
具体的データ
図1
図2
予算区分交付金
研究期間2013~2015
研究担当者藤本竜輔、光永貴之、竹内正彦
発表論文藤本ら(2015)哺乳類科学、55(2):145-154
発行年度2015
オリジナルURLhttp://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/tarc/2015/tarc15_s20.html
収録データベース研究成果情報

研究成果情報アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat