サツマイモ品種「べにはるか」の容器苗移植栽培における収量向上といもの小型化

サツマイモ品種「べにはるか」の容器苗移植栽培における収量向上といもの小型化

タイトルサツマイモ品種「べにはるか」の容器苗移植栽培における収量向上といもの小型化
要約容器苗移植栽培法をサツマイモ品種「べにはるか」に適用すると、親いも肥大は抑制され、挿苗栽培に比べて子いも収量が向上する。面積当たり子いも個数は挿苗栽培と比べて大幅に増加し、50g~200g の子いもの個数比率が増大する。
キーワードいも小型化、サツマイモ、収量向上、べにはるか、容器苗移植栽培
担当機関(国)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター 畑作研究領域
連絡先096-242-7682 / q_info@ml.affrc.go.jp / q_info@ml.affrc.go.jp
分類研究成果情報
背景・ねらい容器苗移植栽培法とは、サツマイモの30g~80gの種いもを横2分割して開発したポリプロピレン製容器へ培土とともに入れて、加温機能のある温室にて25℃自然光条件で3~4週間程度育苗して容器苗を準備し、得られる容器苗を高畦へ約20cmの深さに移植して栽培することで、親いも肥大を抑制しつつ、子いもを形成させる栽培法であり、食用サツマイモ品種「高系14号」で生育促進と増収効果を確認している(特許第5483091号、2012年成果情報 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/karc/2012/113a2_01_02.html)。一方、サツマイモ品種「べにはるか」は青果用品種として2007年育成・2008年登録され、近年栽培面積が拡大している。また、消費者からは従来のいもでは大きすぎるとの指摘があり、小型のいもへの期待がある。ここでは、「べにはるか」への容器苗移植栽培法の適用が収量と子いもの形状に及ぼす効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 容器苗移植栽培法を「べにはるか」へ適用した時の子いも収量は、栽植密度が同じ条件の挿苗栽培と比べて約1割~2割増加する(図1)。
  2. 「べにはるか」においても、容器の囲いのないいも付き苗移植栽培法と比べて、容器苗移植栽培法により親いも肥大は抑制される(データ略)。
  3. 面積当たり子いも個数は、栽植密度が同じ条件の挿苗栽培と比べて約4割~8割増加する(表1)。
  4. 子いも平均1個重は、挿苗栽培と比べて小さくなる(表1)。
  5. 子いも総数に占める50g~200g子いもの個数比率は、栽植密度が同じ条件の挿苗栽培と比べて増加し(表1)、形状に遜色は見られない(表2、図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 2Sサイズ・Sサイズ・Mサイズ(JA宮崎青果用かんしょ規格表では晩掘8/15以降で2S50-100g、S100-150g、M150-225g)の生産に適した栽培方法である。また、小ぶりの焼きいも加工用に適する。
  2. 容器苗移植栽培の肥培管理方法は、慣行挿苗栽培と同様とする。容器苗移植栽培の栽植密度は、1株当たり子いも個数は大幅に増加するので、容器苗の生産コストを低減するために、疎植とすることが好ましい。
  3. 本成果は、都城地域の気象・黒ボク土条件の下、5月~6月に植え付け、在圃日数150日~200日の条件で得られた結果である。
  4. 収穫時に容器を回収し、回収した容器は、複数年間の再利用が可能である。
  5. 容器は、資材メーカーとの共同研究により開発し、受注生産できる。
  6. 容器苗移植栽培では、種いも感染に起因する病害を予防するため、ウィルスフリー苗から1代目の種いもを利用する等、できるだけ清浄な種いも確保に努める。
具体的データ
図1
表1
表2
図2
予算区分交付金
研究期間2010~2015
研究担当者安達克樹、杉本光穂、石井孝典、新美洋、大嶺政朗、鈴木崇之、高田三樹(東罐興産株式会社)、後藤章(東罐興産株式会社)、横山京太郎(東罐興産株式会社)
発表論文Adachi K. et al. (2016) Plant Prod. Sci. 19(1):125-131
発行年度2015
オリジナルURLhttp://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/karc/2015/karc15_s01.html
収録データベース研究成果情報

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