伊万里湾における有害赤潮等発生監視と発生機構の解明

伊万里湾における有害赤潮等発生監視と発生機構の解明

タイトル伊万里湾における有害赤潮等発生監視と発生機構の解明
要約佐賀県玄海水産振興センター等と共同で平成25年度から国事業※1により、伊万里湾において、カレニア ミキモトイ赤潮の発生状況及び海洋環境を広域的に監視し、既存データの解析や調査で得られた情報を迅速に漁業現場に伝達することで 、漁業被害の軽減を果たした。  
※1 研究課題名に記載、H27年度から中央水研も参画
担当機関長崎県総合水産試験場 環境養殖技術開発センター 漁場環境科
区分(部会名)水産
専門赤潮・貝毒
研究対象植物プランクトン
分類調査
背景・ねらい九州海域ではカレニア属等有害赤潮が発生し、魚介類がへい死する漁業被害が頻発している。特に平成24年には伊万里湾でカレニア赤潮により、長崎県と佐賀県で計9,107万円(約3,187万円、約5,920万円)の大きな漁業被害が生じた。

そのため、漁業被害の防止・軽減を目的に、伊万里湾の有害赤潮プランクトンの発生状況及び海洋環境を広域的に監視し、既存データの解析による発生機構の解明を目指した。 
成果の内容・特徴平成25年夏季(7~8月:20日間)、カレニア赤潮は福島南部中層(図1)で初期増殖・赤潮形成後、広域に分布が拡大したが、期間が短く、漁業被害は378万円(養殖マグロ)に留まった。
平成26年夏季(7~8月:51日間)、本種赤潮は福島周辺海域で長期間発生した。分布の推移は平成24年(福島の東部から北部へ移動等)と類似していた。

 (1)福島東部海域で発生したものが、福島の南部~西部方向と北部方向に流入し(図2)、漁業被害(養
殖ハマチ等に332万円)は北部海域で生じた。

 (2)8月上旬の福島東部から南部~西部方向への移動、8月中・下旬の福島東部から北部方向への移動に風による移流が大きく関与した(図3)。

 漁業被害について、平成26年と平成27年は、平成25年の調査結果と平成24年の漁業被害の経験等を活かし、本種赤潮の初期中層での増殖、その後の赤潮形成と移動状況を詳細に把握し、その情報をSNS等で即時に現場へ伝達し、素早い対策(餌止め)と自主監視強化を実施した。これらの努力により、大規模赤潮であったにも関わらず、漁業被害は著しく軽減された(伊万里でのカレニア赤潮による被害金額は、平成24年が9,107万円、平成25年~27年の合計が710万円、詳細は表1参照)。
成果の活用面・留意点今後も同様の調査を実施し、漁業被害の軽減を図る。また、調査によって得られたデータを解析し、赤潮の早期検出、移動、消長等の予測技術の精度を高める。 
予算区分水産庁委託事業
研究期間2012~2015
研究担当者山砥稔文
発表論文山砥稔文ほか6名 2012年伊万里湾で発生した有害渦鞭毛藻Karenia mikimotoi赤潮の環境特性と養殖トラフグの大量斃死.藻類 64: 94-101, July 10, 2016
発行年度2016
オリジナルURLhttp://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=6150&YEAR=2016
収録データベース研究成果情報

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