北方海域の物理環境改変による生物生産性の向上に関する研究

北方海域の物理環境改変による生物生産性の向上に関する研究

タイトル北方海域の物理環境改変による生物生産性の向上に関する研究
要約北方海域(武蔵堆周辺)における漁場整備に資する基礎データとしての海域環境の把握を目的に、四季の現地観測を行い基礎生産構造や生物生息環境等を解明すると共に、底層からの栄養塩供給効果を試算し、漁場開発効果の潜在性を確認した。さらに湧昇マウンド礁による栄養塩の供給効果を把握するため、急激な水深変化による流れ場を精度良く評価できる数値モデルを構築し湧昇効果を検討した。
担当機関国立研究開発法人 土木研究所 寒地土木研究所 寒地水圏研究グループ 水産土木チーム
連絡先0118411695
区分(部会名)水産
専門水産土木
研究対象すけとうだら
分類研究
背景・ねらい北海道の主要な水産有用種にスケトウダラがある。この漁獲量は著しく減少しており平成9年にTAC対象種に指定されている。北海道日本海北部沖はその優良な漁場として知られていることから、本研究ではスケトウダラを対象に大規模漁場整備を行うにあたっての整備効果を適切に評価するため、調査を実施し各種検討を行うものである。 
成果の内容・特徴調査結果から、夏季および秋季は躍層が発達し、これ以浅の混合層で栄養塩が枯渇、基礎生産は低位となっている。冬季は表層冷却による鉛直混合が生じて貧栄養状態が解消されていたが、全天日射量が少なく基礎生産は低位となっている。一方、春季は全天日射量の増大に伴いブルームが発生すると共に、表層冷却による鉛直混合によって基礎生産が持続することがわかった。これら踏まえ生態系モデルを構築、基礎生産量を算出したところ、生産性向上ポテンシャル(栄養塩の供給による基礎生産増大の可能性)の検討を実施栄養塩が枯渇する季節の基礎生産量について栄養塩充足により、現況よりも3倍まで増加することがわかった(図1)。次に湧昇マウンド礁のような急激な水深変化を伴う局所的な流れ構造を評価するためFull-3Dモデルを構築し、水深別による湧昇マウンド礁の擾乱効果を試算、検討した。この結果、限られた流れ場条件であるが、湧昇マウンド礁(高さ30m)を水深100mに設置した場合、表層付近まで擾乱することがわかった(図2)。 
成果の活用面・留意点本モデルは、基礎生産が低位な夏季および秋季の栄養塩供給量の試算が可能となり、湧昇マウンド礁など漁場造成を評価するツールとして重要と考える。 
予算区分(国研)土木研究所寒地土木研究所交付金
研究期間2011~2015
研究担当者三上信雄、牧田佳巳、佐藤仁、三森繁昭、大橋正臣、梶原瑠美子
発表論文山本潤・河合浩・大橋正臣・林田健志・西田芳則・田中仁:水産生物の生活史に対応した北方海域の基礎生産構造に関するLagrange的な現地観測、土木学会論文集B2(海岸工学)、Vol.69、2013
発行年度2016
オリジナルURLhttp://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=6088&YEAR=2016
収録データベース研究成果情報

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