おとり植物を用いた土壌中のジャガイモモップトップウイルスの定量評価法

おとり植物を用いた土壌中のジャガイモモップトップウイルスの定量評価法

タイトルおとり植物を用いた土壌中のジャガイモモップトップウイルスの定量評価法
要約土壌懸濁液の10倍段階希釈液中でおとり植物のミニトマトを3週間栽培後、各希釈段階におけるミニトマト根部からのジャガイモモップトップウイルス(PMTV)の検出数から、最確値法により土壌中のPMTV汚染程度を定量できる。
キーワードジャガイモモップトップウイルス(PMTV)、おとり植物、DAS-ELISA法、最確値(MPN)法
担当機関(国研)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター 生産環境研究領域 病虫害グループ
連絡先0155-62-4279
分類研究成果情報
背景・ねらいジャガイモ塊茎褐色輪紋病の原因ウイルスであるジャガイモモップトップウイルス(PMTV)による土壌汚染の有無は、ジャガイモモップトップウイルス土壌汚染診断法(平成18年度研究成果情報)を用いることにより、高感度・高精度に明らかにすることができるが、土壌汚染程度を定量的に把握することはできない。そこで、ミニトマトをおとり植物として用いる捕捉法と最確値(MPN)法を組み合わせ、土壌中のPMTVの定量評価法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 土壌試料懸濁液(50g/200ml水耕培養液)を10倍に段階希釈して一連の懸濁液(100?10-4まで5段階、3反復)を調製する。これらの懸濁液を入れたプラスチックコンテナーに、播種後3週間育成したミニトマト「レジナ」を移植し(3株/反復)、人工気象器内(設定温度18°C、明期14時間-暗期10時間)で3週間栽培する。各ミニトマト根部からDAS-ELISA法(BIOREBA)によりPMTVを検出する。各希釈段階におけるPMTVの検出数(陽性コンテナ数)に基づく検出スコアから、最確値計算プログラム(堀,2006)を用いて最確値を得る。最確値からPMTV汚染程度を算出する(図1)。
  2. 本法を用いて算出した北海道十勝地方のジャガイモ塊茎褐色輪紋病発病圃場土(以下発病圃場土)のPMTV汚染程度は18.7感染単位 (infection unit [IU])/g土壌である。発病圃場土を健全土壌に1、2、5%(W/W)混和した土壌を供試した場合のPMTV汚染程度はそれぞれ0.02、0.13、0.29 IU /g土壌と算出される。
  3. PMTV土壌汚染診断法で陽性と判定された圃場由来の土壌試料39点(発病圃場を含む)を本法に供したところ、14点でPMTVが検出され、その定量値は0.01?18.7 IU/g土壌である。発病圃場土のPMTV汚染程度は他のPMTV陽性土壌と比較して明らかに高い(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 本法はバレイショ栽培前の圃場のPMTV汚染程度の把握に利用できる。
  2. 土壌のPMTV汚染程度と各バレイショ品種における発病程度の関係は現時点で未解明である。
  3. 最確値計算プログラム[MPN(最確値)法による土壌微生物密度推定のためのVisual BASICプログラム、機構-M09]は農研機構より入手できる。
  4. おとり植物として用いる「レジナ」は矮性品種であるため、人工気象器内での長期間の水耕栽培に適している。また市販品種であるため入手も容易である。
予算区分交付金
予算区分その他外部資金(北海道馬鈴しょ生産安定基金協会生産流通振興事業)
研究期間2011~2015
研究担当者中山尊登
発表論文中山(2016)北日本病虫研報、67:90-93
発行年度2016
オリジナルURLhttp://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/harc/2016/harc16_s04.html
収録データベース研究成果情報

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