圃場生産管理システム内の情報を作付計画へ活用できる線形計画モデル

圃場生産管理システム内の情報を作付計画へ活用できる線形計画モデル

タイトル圃場生産管理システム内の情報を作付計画へ活用できる線形計画モデル
要約圃場生産管理システム内の情報を利用することで、圃場の特性による作業時間や収量の差異を解析できる。解析結果から得られる作業時間や収量を用いて構築した線形計画モデルによって、圃場の特性を考慮した作付計画ができる。
キーワード線形計画モデル、圃場生産管理システム、作付計画
担当機関(国研)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業研究センター 農業経営研究領域 経営計画グループ
連絡先029-838-8481
分類研究成果情報
背景・ねらい土地利用型農業経営では、労働力のぜい弱化が進む一方で経営面積の拡大も進展し、一人で生産管理しなければならない圃場枚数が増大している。この問題に対し、GISや通信機器を利用した圃場生産管理システムの研究開発が進展し、それが商品化されるとともに、先駆的な経営体で利用されている。その一方で、圃場生産管理システムで集められた情報の活用方策は、十分に明らかにされていない。そこで、圃場生産管理システム内の情報を作付計画へ活用するため線形計画モデルを構築する。なお、線形計画モデルに圃場生産管理システム内の情報を利用するには、位置、面積、形状、排水性、地力等の圃場別の特性と、作業時間及び収量に関する情報が蓄積できていることが前提となる。
成果の内容・特徴
  1. 圃場生産管理システム内の情報を利用した線形計画モデルを構築するには、数百枚ある圃場単位の生情報の利用では、構築するモデルが膨大となり、その後のシミュレーションへの活用が困難になるため、(1)圃場の特性に基づく圃場区分、(2)圃場区分を組み込んだ単体表の構築の手順で実施する。また、圃場区分するには、(a)システム内から圃場区分に必要な圃場別情報の抽出、(b)圃場の特性による作業時間と収量の解析から区分条件の選定、(c)区分条件を利用した圃場区分の手順で実施する。一方、単体表の構築では、(d)圃場区分にしたがった利益係数と労働係数の作成、(e)圃場区分別の生産面積プロセスと制約条件式の作成の手順で実施する(図1)。
  2. 圃場の特性による作業時間と収量の解析では、圃場内作業時間に差異を与える圃場の面積と形状、小麦等の畑作物の収量に差異を与える排水性、水稲の収量に与える地力等を圃場の特性として抽出する。それら特性に応じて区分条件を設定し、作業時間及び収量の平均値を算出し、区分条件間での比較検討を繰り返しながら、圃場区分に利用する区分条件を選定する。A社の圃場システムを利用するB経営(茨城県)の事例では、圃場の面積で3分類(30a未満、30a以上50a未満、50a以上)、形状で5分類(整形、台形、菱形、不整形、その他)、排水性で3分類(良好、中間、不良)、水稲生産の地力で3分類(高位、中位、低位)から開始し、最終的に表1に示した区分条件を選定している。
  3. 選定した区分条件をすべて組み合わせ、その組み合わせが存在しない区分を排除することで、最終的に利用する圃場区分を決定する。圃場区分の条件に対応する補正係数を利用して、圃場区分別の利益係数と労働係数を作成し、それらを利用することで、圃場条件の特徴を組み込んだ線形計画モデルが構築できる(表2)。
  4. この線形計画モデルを利用することで、図2に示すように、圃場の特性を考慮した作付計画による規模拡大の可能性や農業所得の向上が期待できる計画案が作成できる。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は、圃場生産管理システム内の情報活用を図る場合、または、そのシステムの経営的評価を実施する場合に活用できる。
  2. 圃場別の収量は、収量計測機能付きコンバイン等を利用して記録する必要がある。
  3. 区分条件の作成には、圃場生産管理システム内に蓄積された情報に依存するため、利用する経営体に合わせて選定する必要がある。
予算区分交付金
予算区分その他外部資金(25補正「革新プロ」、27補正「地域戦略プロ」)
研究期間2014~2016
研究担当者松本浩一、関野幸二
発表論文松本、関野(2017)関東東海北陸農業経営研究、107:63-68
発行年度2016
オリジナルURLhttp://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/carc/2016/carc16_s03.html
収録データベース研究成果情報

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