アサリ稚貝の成長に対する低分子化アルギン酸と真正眼点藻ナンノクロロプシスによる併用給餌の有効性

アサリ稚貝の成長に対する低分子化アルギン酸と真正眼点藻ナンノクロロプシスによる併用給餌の有効性

タイトルアサリ稚貝の成長に対する低分子化アルギン酸と真正眼点藻ナンノクロロプシスによる併用給餌の有効性
要約アサリ種苗生産の課題である微細藻類の培養不良等による餌料不足解決のために酸性多糖のアルギン酸と低コストで安定した大量培養が可能であるナンノクロロプシスによる併用給餌の有効性を調べた。結果、30万 cells/mLのナンノクロロプシスと4 mg/Lの低分子化アルギン酸の併用給餌区におけるアサリ稚貝の成長は一般餌料種である珪藻キートセロス給餌区と比べ有意に高く併用給餌の有効性が示された。
担当機関(国研)水産研究・教育機構 水産大学校 生物環境学講座
連絡先083-227-3928
区分(部会名)水産
専門魚類栄養
研究対象植物プランクトン
分類研究
背景・ねらいアサリ種苗生産における課題として、微細藻類の培養不良などによる餌料不足が挙げられる。近年、珪藻 キートセロス(Chaetoceros neogracile) と酸性多糖の1種であるアルギン酸の酸加水分解物(以下、低分子化アルギン酸とする)の併用給餌が、アサリ稚貝の成長促進に有効であることが見出された。一方、真正眼点藻 ナンノクロロプシスは、低コストで安定した大量培養が可能である反面、二枚貝への餌料効果は必ずしも高いとは言えない。そこで本研究では、ナンノクロロプシス(Nannochloropsis sp.)と、低分子化アルギン酸による併用給餌の有効性を調べた。
成果の内容・特徴ナンノクロロプシス 単独、ナンノクロロプシス と4 mg/Lの低分子化アルギン酸の併用、およびキートセロス 単独の給餌区について20日間の給餌試験を行った。その結果、300000 cells/mLの ナンノクロロプシス と4 mg/Lの低分子化アルギン酸の併用給餌区におけるアサリ稚貝の成長は ナンノクロロプシス 単独給餌区より顕著に高く(図1, 2)、好適餌料として広く用いられている キートセロス 給餌区と同程度であった(図2)。また、低分子化アルギン酸は、ナンノクロロプシス の増殖に影響を与えず(図3)、低分子化アルギン酸の存在それ自体がアサリ稚貝の成長を促したと考えられた。以上の結果より、 ナンノクロロプシス と低分子化アルギン酸の併用給餌は、アサリ種苗生産の短期化や低コスト化に寄与すると期待される。
成果の活用面・留意点本研究の成果は、アサリをはじめとする二枚貝種苗生産における餌料不足を補う技術として活用できる可能性がある。一方、本研究は20L程度の規模で試験を実施したため、実用規模(0.5~1トン程度)での検証が必要不可欠である。
予算区分科学研究費補助金挑戦的萌芽研究
研究期間2015~2016
研究担当者山崎康裕(水産大学校)、多賀茂(山口県水産研究センター内海研究部)、岸岡正伸(山口県水産研究センター内海研究部)
発表論文Yamasaki Y, Ishii K, Taga S, Kishioka M: Enhancement of dietary effect of Nannochloropsis sp. on juvenile Ruditapes philippinarum clams by alginate hydrolysates. Aquaculture Reports, 9, 31-36 (2018)
発行年度2017
オリジナルURLhttp://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=7235&YEAR=2017
収録データベース研究成果情報

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