小型発信機を用いた河川でのコクチバス越冬場所の探索

小型発信機を用いた河川でのコクチバス越冬場所の探索

タイトル小型発信機を用いた河川でのコクチバス越冬場所の探索
要約河川のコクチバスを効率的に駆除できる越冬場所を探索するため、秋に長野県の農具川と天竜川の成魚に発信機を装着し移動を追跡した。農具川の2個体は流れの緩いツルヨシ群落の奥や暗渠の下に滞在した。天竜川の6個体は放流場所付近に滞在したが、台風による大増水を契機に降下する個体が現れた。降下個体の確認場所は取水堰や橋脚下に形成された淵や淀みであり、それらが越冬場所の候補地と考えられた。
担当機関長野県水産試験場 環境部
連絡先0263-62-2281
区分(部会名)水産
専門資源生態
研究対象他の淡水魚
分類調査
背景・ねらい河川に増加したコクチバスの効果的な駆除方法は確立されていない。本種の越冬場所や蝟集場所は効率的な駆除場所の適地であり、これを探索することで効率的な駆除技術の確立に役立つ。そこで本研究では、長野県の農具川と天竜川においてコクチバス成魚に小型発信機を取り付け(図1)、装着個体を追跡調査することで、河川内の滞在場所、越冬場所を探索した。
成果の内容・特徴農具川で発信機を装着した2個体は、流れの緩い道路下の暗渠やツルヨシ群落奥などの特定の場所に滞在する傾向がみられた(図2)。ツルヨシ群落の奥に滞在したNo.76の個体の水中ビデオ観察と周辺部の電気ショッカーによる捕獲調査により、農具川のツルヨシ群落に分布するコクチバスは単独で越冬していることが確認された。  天竜川の6個体のうち2個体は、10月下旬の台風による水位2m増の大増水を契機に、当初の滞在場所から大きく降下した(図3)。これら個体の降下後の滞在場所は、コンクリートブロックが埋まった取水堰上下や橋脚下の流れの緩い淵や淀みであった。これらの場所での「蝟集」は未確認であるが、栃木県の那珂川では秋に流速の遅いワンドに蝟集することが報告されている。一方、本研究で単独越冬を確認した農具川は川幅7mの小河川であり、河川規模と大きなワンドや淵の存在が蝟集の有無に関係すると考えられた。  
成果の活用面・留意点・発信機を用いるテレメトリー手法は河川におけるコクチバス成魚の移動や滞在場所の特定に有効であり、滞在場所が蝟集場所であれば、滞在・蝟集場所は有望な駆除場所となる。 
・野外におけるテレメトリーの受信では、暗渠の中の個体からの信号や高圧電線の近くでは受信難であり、調査河川によって活用範囲が限られる場合がある。 
・釣り人による発信機装着個体の持ち帰りが原因と思われる消息不明個体や大増水後の降下途中で発信機が脱落する個体があり、釣り人への周知、発信機の装着方法を改良する必要がある。  
予算区分水産庁委託「河川流域等外来魚抑制管理技術開発事業」
研究期間2015~2017
研究担当者河野 成実
発行年度2018
オリジナルURLhttp://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=8200&YEAR=2018
収録データベース研究成果情報

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