国内保有マンゴー遺伝資源の多様性および品種特性

国内保有マンゴー遺伝資源の多様性および品種特性

タイトル国内保有マンゴー遺伝資源の多様性および品種特性
要約国際農研および沖縄県農業研究センターで保存されているマンゴー遺伝資源120点は、SSRマーカーによる系統および遺伝的多様性の解析により、重複を除いた83の異なる遺伝子型に区別され、育成地を反映する3つのグループに分かれる。世界各国に由来するこれらの遺伝情報および品種特性情報は、品種利用の促進や多様性比較の基盤として活用できる。
キーワードマンゴー, 遺伝資源, SSRマーカー, 遺伝的多様性, 品種特性
担当機関(国研)国際農林水産業研究センター 熱帯・島嶼研究拠点
区分(部会名)国際農林水産業
分類研究
背景・ねらいマンゴー(Mangifera indica)はわが国でも1980年代以降に本格的に経済栽培されるようになり、現在では沖縄・九州を中心とした特産果樹として年間およそ3,000トンが生産されており(農水省統計、平成28年産特産果樹生産動態等調査)、温暖化対応として今後も生産拡大が期待されている。国産マンゴーの9割超は品種‘アーウィン’で占められているが、収穫期分散や嗜好の多様化への選択肢拡大のためにも多様な品種の活用が望ましい。そこで、本研究では国際農研および沖縄県農研センターで保存しているマンゴー遺伝資源の遺伝的多様性や類縁関係を把握し、遺伝資源の利活用に向けた基盤情報を整備する。
成果の内容・特徴
  1. 日本国内で保存しているマンゴー遺伝資源120点(国際農研89点および沖縄県農研セ31点)は47個のSimple Sequence Repeat (SSR)マーカーによる多型解析により83の異なる遺伝子型(83品種)に分類される。すなわち、同一遺伝子型(異名同品種)が存在する。
  2. 83品種は主座標分析により大きく3つのグループに分かれ、うち2つは米国(フロリダ・ハワイ)およびマンゴーの原産地の一つであるインドに由来する品種で構成される。残りのグループにはもう一つのマンゴー原産地である東南アジア(タイ、ベトナム、フィリピン)、および東アジア(台湾)の品種が含まれている(図1)。これらの結果は,インド型および東南アジア型に遺伝的に大別される過去の分類を支持するとともに、主に両者の交雑に由来する米国の品種は両者の中間ないしはインド型に近い遺伝的背景を有することを示唆している。
  3. 国際農研が保有する遺伝資源のうち、熱帯・島嶼研究拠点(沖縄県石垣島)での栽培で開花・結実した62品種について栽培・果実特性を調査し、品種情報を提供するデータベース 「JIRCASマンゴー遺伝資源サイト」として公開している(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 同一遺伝子型を示した品種については、導入経緯や由来のより明確なものを代表とし、83品種の保有遺伝資源に整理した。
  2. 本研究におけるSSRマーカー解析で得られた知見や遺伝子型データは、世界に広く流通する主要品種の遺伝情報として、特定の地域の遺伝資源の多様性評価の比較対照や品種識別情報への利活用が期待される。また、国内における育種選抜マーカーとしての利用も見込める。
  3. JIRCASマンゴー遺伝資源サイト」の品種情報は、沖縄県石垣島における2010~2011年の栽培・調査に基づき、国内の研究者、生産者、消費者を対象とした多様なマンゴー品種の紹介および栽培特性(開花期、収穫期)、果実品質特性(外観、食味)などの情報提供を目的とする。
予算区分交付金›熱帯作物開発
予算区分交付金›目的基礎›戦略的熱帯果樹研究
研究期間2011~2020
研究担当者山中 愼介(熱帯・島嶼研究拠点)、緒方 達志(熱帯・島嶼研究拠点)、高木 洋子(熱帯・島嶼研究拠点)、香西 直子(鹿児島大学)、松村 まさと(沖縄県農業研究センター)、尾上(牧志) 佑子(沖縄県農業研究センター)、浦崎 直也(沖縄県農業研究センター)、正田 守幸(沖縄県農業研究センター)、奈島 賢児(日本大学)、保坂 ふみ子(農研機構)、山本 俊哉(農研機構)
発表論文Yamanaka S et al. (2019) Breeding Science, 69:332-344
「JIRCASマンゴー遺伝資源サイト」https://www.jircas.go.jp/ja/database/mango/mango-top
発行年度2019
オリジナルURLhttps://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2019_d02
収録データベース研究成果情報

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