瀬戸内海東部海域のイカナゴにおける資源評価手法の開発と実施および調査体制の構築

瀬戸内海東部海域のイカナゴにおける資源評価手法の開発と実施および調査体制の構築

タイトル瀬戸内海東部海域のイカナゴにおける資源評価手法の開発と実施および調査体制の構築
要約瀬戸内海の重要漁業資源であるイカナゴについて、瀬戸内海東部系群における資源評価手法を開発し実施した。また関係機関との情報交換会の設置や調査船調査の開始など、新たな情報共有および調査体制を構築した。本課題の実施により、資源管理方策を提言するための基礎的情報である資源動向を明らかにできた。また評価精度を向上させるための情報の整理や新たな生物学的知見の収集が可能となった。 
担当機関(国研)水産研究・教育機構 瀬戸内海区水産研究所 資源生産部 資源管理グループ
連絡先0829-55-3529
区分(部会名)水産
専門資源評価
研究対象いかなご
分類研究
背景・ねらいイカナゴは瀬戸内海における重要漁業資源で、漁獲の90%以上は東部海域(備讃瀬戸、播磨灘、大阪湾)で占められている。本種の漁獲量は1970年代を頂点に近年はピーク時の2%まで減少している。各湾・灘において操業開始日の統一など関係府県単位で自主規制が行われているが、海域全体での包括的な資源動向の把握や管理はなされておらず、関係府県から当該海域での資源評価の実施や適正な管理方策の提言が求められてきた。このような背景のもと、イカナゴ瀬戸内海東部系群として資源動向の把握、関係機関との情報共有促進のための体制づくり、および統一的な調査船調査の検討など新たな調査体制の構築を目指した。
成果の内容・特徴本系群の漁獲物の主体である0歳魚を含めた資源量推定が重要であることから、旬別および年別コホートを組み合わせた資源量推定手法を開発した。資源量は1991年の2.4億トンをピークに減少傾向で、2016年には1.7万トンとなった。親魚量は1989年以降漸減し、2016年には1.7千トンとなった(図1)。加入量も2011年以降減少傾向で、2016年には350億尾となった(図1)。再生産成功率(加入量/親魚量)は0.01−5.9億尾/トンで増加傾向を示したが、近年は変動が大きい。推定結果をもとに将来予測を行い、生物学的許容漁獲量(ABC)を算出した。現在は近年の資源量の更なる減少に対し、より適切な手法開発に取り組んでいる。併せて関係機関との間で生物学的パラメータ、調査手法の統一や周辺情報について整理し、情報共有の促進を図るとともに、調査船調査の実施時期などの調整を行うことにより、東部海域全体での仔魚の分散を把握することが可能となった(図2)。また夏眠親魚調査では、備讃瀬戸西部および北東部の夏眠場(=産卵場)の供給源としての重要性を示すことができた(図3)。
成果の活用面・留意点本系群の資源評価手法の開発・実施ならびに調査体制の構築により、当該系群の資源の持続的な利用に向けた提言が可能となった。また各機関で統一的な調査船データを収集することが可能となった。これらの結果は兵庫県や大阪府の漁業関係者会議で利用され、イカナゴ解禁日の決定に貢献している。今後は資源状況の把握や調査船調査の継続とともに、資源量の推定精度の向上や管理方策に関する検討が望まれる。特に本系群の資源は全国と同様に急減し、その加入・変動機構や資源構造そのものが変化している可能性もある。しかしながらその詳細は明らかになっておらず、より正確な情報収集と推定手法改善のための新たな研究も今後の課題である。
予算区分水産庁委託費
研究期間2016~2020
研究担当者高橋正知、河野悌昌
発行年度2019
オリジナルURLhttp://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=8303&YEAR=2019
収録データベース研究成果情報

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