海面養殖ニジマスに給餌する配合飼料のサイズが成長と生残に及ぼす影響

海面養殖ニジマスに給餌する配合飼料のサイズが成長と生残に及ぼす影響

タイトル海面養殖ニジマスに給餌する配合飼料のサイズが成長と生残に及ぼす影響
要約ニジマスの海面養殖では短期間での成長促進のため、毎日の給餌と配合飼料のサイズを成長に合わせて大型化することが一般的であるが、過剰な給餌は消化器官への負担の増加等、負の影響が懸念される。そのため、本研究では配合餌料のサイズと成長・生残について検討し、飼料もサイズが小さい方が成長量・飼料効率ともに高く成長量の個体差は少なく、生残率が高くなることを明らかにした。
担当機関(国研)水産研究・教育機構 日本海区水産研究所 資源生産部 資源増殖グループ
連絡先0770-52-2660
区分(部会名)水産
専門増養殖技術
研究対象さけ・ます類
分類普及
背景・ねらい日本海区水産研究所は福井県水産試験場、同農林水産部、福井県立大学、福井中央魚市株式会社とともに研究コンソーシアムを構成し、水産庁の革新的技術開発緊急展開事業「国際的養殖拠点の構築を目指した海面養殖トラウト一貫生産技術体系の確立」に取り組んだ。当該事業では11月末に体重約400gまで淡水で養殖した幼魚を海水馴致後海面養殖して翌年5月までの6ヶ月で約2kgに成長させることを目標としている。一般的には魚体の大型化に合わせて給餌する配合飼料も大型化させるのに対して、本事業では成長促進のために毎日給餌を基本としていることから、大きい餌は消化器官に負担をかけるのではないかと予想し、餌のサイズと成長・生残について検討した。
成果の内容・特徴サイズの異なる配合飼料を給餌した2群(大型餌区および破砕餌区)の成長および飼料効率(=増重量/給餌量×100)を比較した。大型餌区の餌にはS社製11号(直径11.3mm高さ8.8mm)をそのまま用いた。同餌を攪拌機で破砕し、対角線長8.6mmのふるいの目合いを抜け、同3.8mmに残ったものを破砕餌区に用いた。 平成29年12月25日から4月24日の120日間実験を行い、59日目の2月22日を基準に前半と後半にわけて成長を比較した。実験開始時の体重は大型餌区が平均489g、破砕餌区が平均479gで、6時間で飽食する量を給餌した。体重は破砕餌区の方が有意に(一元配置分散分析、P<0.05)大きくなり、変動係数(偏差÷平均体重)は大型餌区が増加したのに対してほぼ一定であった(表1)。飼料効率は前後半ともに破砕餌区が大型餌区を上回った(図1)ことから積極的に餌を大型化するより小さい餌を用いた方が効率良く成長することがわかった。前述の餌のサイズによる大型餌区、破砕餌区毎に給餌率を毎日1%、毎日2%、毎日飽食とし計6区の成長と生残を比較した。約800gのニジマスを用いて3月12日から5月7日の56日間実験を行った。給餌率による生残率の差は無かったが、大型餌区を用いたグループは破砕餌を用いたグループに比べて生残率が有為に低いことから餌のサイズが生残率に影響を及ぼすことが示唆された(表2)。
成果の活用面・留意点配合餌料のサイズの積極的な大型化は成長の促進や生残に対して効果が無いことが明らかとなった。但し、大型配合餌料の給餌群における死亡原因が消化不良であるかは特定できていない。
予算区分農研機構 生研支援センター
研究期間2016~2018
研究担当者山田達哉、井関智明、山本岳男、竹内宏行
発行年度2019
オリジナルURLhttp://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=8334&YEAR=2019
収録データベース研究成果情報

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