沖縄県産クロマグロのセリ価格に影響する要因の分析

沖縄県産クロマグロのセリ価格に影響する要因の分析

タイトル沖縄県産クロマグロのセリ価格に影響する要因の分析
要約クロマグロ成魚の出荷先でのセリ価格に影響する要因を2年分のデータを使って調べた。セリ価格には水揚げ時期の早さが最も強く影響し、漁獲時の生死、体重、脂の乗りの影響はいずれも同程度であることが分かった。このうち脂の乗りについては、バイオインピーダンス法を用いて測定した背・腹・臀の3部位のうち臀部の体脂肪率が最も良くセリ価格を説明し、身質推定に利用可能なことが分かった。
担当機関(国研)水産研究・教育機構 西海区水産研究所 亜熱帯研究センター 沿岸資源生態グループ
連絡先0980-88-2862
区分(部会名)水産
専門資源生態
研究対象まぐろ
分類普及
背景・ねらい沖縄県周辺で漁獲されるクロマグロは、漁期間である4月中旬〜7月上旬に産卵のため肥満度が減少し、同時に、産卵期間の後半になるほどセリ価格が安くなる(図1,2)。一般に脂の乗りはセリ価格に大きく影響することが知られているが、それらの因果関係や影響の大きさについては詳しく調べられていなかった。本研究では、沖縄県石垣島に水揚げされるクロマグロの肥満度を算出するとともに、バイオインピーダンス法を用いた体脂肪率測定も実施して、脂の乗りの指標とし、その変動を調べた。また、脂の乗りにその他の利用可能な情報を加え、それらのセリ価格への影響を調べた。
成果の内容・特徴クロマグロのセリ価格には、年、水揚げ時期の早さ、出荷先などの市場の状況と、漁獲時の生死、体重、脂の乗りなどの個体の質がいずれも大きく影響していることが明らかになった(図3,4)。魚体3か所(背・腹・臀)の体脂肪率と肥満度の計4指標で解析したところ、臀部の体脂肪率が最も良くセリ価格を説明し、他を同条件にして比較すると、脂の乗った個体ほど高かった。魚体後半部の体脂肪率が高い個体は、魚体全体が太り、脂も乗っていると推測され、クロマグロの身質評価に役立つ指標になると考えられた。一方で、同じ体脂肪率でも漁期が遅れるほどセリ値が安くなり、これには国内におけるクロマグロの供給量が影響していると考えられた。また、漁獲時に生きていた個体は、神経締めや血抜き等の適切な処理が可能なために、死んでいた個体よりもセリ価格が高かった。さらに、市場で扱いやすい体重100〜200kg程度の個体は、250kgを超える大型個体よりセリ価格が高かった。セリ価格への影響は、水揚げ時期の早さが最も強く、漁獲時の生死、体重、脂の乗りはいずれも同程度であった。本研究は、魚類の産卵に伴う脂肪の減少という生態情報をセリ価格の低下という経済情報に結び付けた点や、その他のセリ価格に影響を与える条件を検出することができた点が特徴的である。
成果の活用面・留意点個体の質によるセリ価格の変化や時期的な変動は、有効な資源利用を考えるうえで役に立つ情報となる。簡易的な脂の乗りの推定が可能になったが、身割れやヤケなどについては考慮されていない。
予算区分国際資源評価等推進委託事業
研究期間2015~2018
研究担当者下瀬 環
発表論文Tamaki Shimose, Minoru Kanaiwa, Toshiyuki Tanabe. Influence of the fat content on the auction price of Pacific bluefin tuna Thunnus orientalis at Japanese fish markets. Fisheries Research 204 (2018) 224-230
発行年度2019
オリジナルURLhttp://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=8378&YEAR=2019
収録データベース研究成果情報

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