マサバ仔稚魚の成長速度に及ぼす水温,餌料密度の影響

マサバ仔稚魚の成長速度に及ぼす水温,餌料密度の影響

タイトルマサバ仔稚魚の成長速度に及ぼす水温,餌料密度の影響
要約房総・鹿島灘沖で採集したマサバ仔稚魚のDNA分析,胃内容物分析および耳石輪紋間隔測定を行った。仔稚魚採集地点における水温および餌料密度と成長速度の関係を分析した結果,体長9 mm未満では水温の影響を,体長11 mm以上では餌料密度の影響を強く受けていた。仔稚魚の耳石輪紋間隔はまき網で漁獲された未成魚に比べて狭く,成長速度依存的な減耗が生じていると推察された。
担当機関茨城県水産試験場 回遊性資源部
連絡先029-262-4172
区分(部会名)水産
専門資源生態
研究対象さば
分類研究
背景・ねらいマサバ太平洋系群は,我が国の重要水産資源のひとつである。その資源量は年代によって大きく変動し,その要因として稚魚期までの成長速度と加入量に正の関係がみられることから,初期生活史において成長速度選択的な減耗が働いていることが示唆されている。一般に,仔稚魚の成長速度に対しては水温と餌料密度が影響するが,サバ属仔稚魚は外部形態からの正確な種判別が困難で,マサバ仔稚魚の成長速度に対する水温や餌料密度の影響は明らかになっていない。本研究では,DNAによってマサバ仔稚魚を判別し,耳石解析から成長速度と仔稚魚の採集地点における水温および餌料密度の関係を調べた。また,仔稚魚採集の翌年にまき網によって漁獲された未成魚の初期成長速度を調べ,成長速度選択的減耗について検討した。
成果の内容・特徴2015-2016年の3-7月に房総・鹿島灘沖で採集したサバ属仔稚魚のDNA分析を行い,マサバと同定された仔稚魚の胃内容物分析を行った。胃内容物から出現した動物プランクトンをマサバ仔稚魚の餌料と定義し,耳石輪紋間隔から求めた成長速度と水温,餌料密度の関係を,体長2 mm毎に一般化線形混合モデル(GLMM)で分析した。その結果,水温は体長11 mm未満,餌料密度は体長9 mm未満と11 mm以上で成長速度に対する効果が認められ,9 mm未満では水温の効果が大きいが11 mm以上では餌料の効果が大きく,稚魚への変態時期に餌料への依存が高まったことが示唆された(図1)。また,まき網によって漁獲された未成魚の初期成長速度は,仔稚魚の初期成長速度よりも早く,成長速度依存的な減耗が生じていると推察された(図2)。
成果の活用面・留意点マサバ仔稚魚の成長速度と環境要因の関係が明らかになり,マサバ太平洋系群の資源変動メカニズムの解明や加入量予測精度の向上に寄与する。
予算区分文部科学省 特別電源所在県科学技術振興事業
研究期間2014~2018
研究担当者多賀 真、須能 紀之
発表論文Taga M., Y. Kamimura, Y. Yamashita (2019) Effects of water temperature and prey density on recent growth of chub mackerel Scomber japonicus larvae and juveniles along the Pacific coast of Boso-Kashimanada. Fisheries Science, DOI 10.1007/s12562-019-01354-8
発行年度2019
オリジナルURLhttp://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=8408&YEAR=2019
収録データベース研究成果情報

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