ソラマメの形態的特性と雪害発生要因との関係(32)
課題番号 | 1992002550 |
研究機関名 | 北陸農業試験場(北陸農試) |
研究期間 | 単H03〜H03 |
年度 | 1992 |
研究問題 | 多雪地農業における克雪技術の確立 |
大課題 | 多雪地における越冬作物の生産性向上技術の確立 |
中課題 | 越冬作物の生産安定向上技術の確立 |
小課題 | ソラマメの形態的特性と雪害発生要因との関係(32) |
摘要 | ソラマメの雪害症状は、他の越冬作物の雪害症状と異なり、短期間の積雪で葉身中に微細な水浸状の斑点が生じ、積雪期間が長くなると水浸状の斑点が拡大し、その部分が腐敗、枯死する。このため、ソラマメの形態的特性、寄生する病原菌、植物体周辺の水分環境の3要因と雪害症状の関係について検討を行った。ソラマメの葉身表面にワックスの結晶は観察されず、ワックス量はナタネ類の5分の1、エンドウの4分1と少なかった。また、葉身上の水滴の接触角度は70度前後でソラマメの葉は水に濡れ易い特徴をもつことが明らかになった。越冬前に赤色斑点病やウイルス病に罹病していた個体の越冬性は低下したが、積雪下でこれらの病害が蔓延することはなかった。越冬後に雪害を受けた植物体から検出された菌を培養し同定を行ったところ、雪腐れを起こすような病原性のある菌は検出されなかった。植物体周辺の水分環境は、積雪期間中常に積雪層の中を融雪水が流下しており、流下量が多いときは畦間に湛水し、畦上の土壌水分も高く推移することが明らかになった。また、融雪水は積雪下の植物体周辺に出現する空隙や、植物体を伝わって流下することが考えられた。以上の結果から、ソラマメの雪害は病原性微生物によるものではなく、葉身に融雪水が継続的に付着することにより生じるものと考えられた。今後、水浸状の斑点が発生する原因の解明と、葉身耐水性の品種間差の検討が必要と考えられた。 |
研究分担 | 水田利用地域基盤・越冬生理研気象資源研病害研 |
パーマリンク | https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030030594 |
収録データベース | 研究課題データベース |