摘要 | Pseudomonas sp. KO−8940株は澱粉よりマルトペンタオースを生成する特異なα―アミラーゼを生産する。蛋白質工学的手法により本酵素の反応機構と反応特異性の優れた酵素の作出を目的とする。本酵素の一次構造を明らかにするために遺伝子をクローン化し、Sanger法により塩基配列を決定した。本酵素の構造遺伝子は、1,842塩基対からなりN末端側にシグナル配列を含む614アミノ酸残基からなるポリペプチドをコードしていた。多くのα―アミラーゼにおいて認められるサブサイトを構成する4つの保存領域が本酵素においても存在することおよびC末端側105アミノ酸残基の領域が澱粉結合活性を有することが明らかとなった。発現ベクターpKK233−3のtacプロモーター・SD配列の下流に構造遺伝子を連結したpOS3410を作製した。pOS3410を保有する大腸菌JM109をIPTG処理することにより45IU/mlの酵素が誘導された。大腸菌で発現した酵素の主生成物はP. sp KO−8940のそれと同じG5であった。また、70%の酵素活性がペリプラズムに存在していることから、大腸菌においても本酵素のシグナル配列が内膜通過のシグナルとして機能すると考えられる。 |