薬剤抵抗性アブラムシの生体防御発現機構の解明(161)
課題番号 | 1992000643 |
研究機関名 | 農業環境技術研究所(農環研) |
研究期間 | 継H03〜H05 |
年度 | 1992 |
研究問題 | 農業生態系の構成要素の動態・相互作用の解明と制御技術の開発 |
大課題 | 農業生態系における要素間相互作用の解明と制御技術の開発 |
中課題 | 農用資材等の影響解明と制御技術の開発 |
小課題 | 薬剤抵抗性アブラムシの生体防御発現機構の解明(161) |
摘要 | ワタアブラムシは各種薬剤に対し高度の抵抗性を生じ,防除が難しくなっている。本種の有機リン剤及びカーバメート剤抵抗性に関与する解毒酵素(エステラーゼ)活性の増大及び標的酵素(アセチルコリンエステラーゼ)の薬剤感受性低下の発現機構を解明する。本年度は二つの酵素の機能を明らかにし,抵抗性における役割を解明した。有機リン剤・カーバメート剤抵抗性系統(C系統)に対しエステラーゼ阻害剤Kー2と有機リン剤の協力作用が認められたが,IBPでは認められなかった。C系統のエステラーゼ活性は感受性系統(S)の活性値の39倍と高かった。Kー2ではエステラーゼ阻害活性が認められたが,IBP及びDEFでは認められなかった。両系統ともにフェニトロオクソン分解活性は有しなかったが,捕捉活性はC系統で著しく大きかった。この捕捉活性はエステラーゼ活性と同様にKー2によって阻害されたが,IBP及びDEFによって阻害されなかった。以上のことから,本種の有機リン剤抵抗性にはエステラーゼが深く関与しており,このエステラーゼは有機リン剤を捕捉・不活化することがわかった。また,両系統の標的酵素のピリミカーブに対する感受性比は200倍以上であったが,エチオフェンカルブに対しては殆ど変わらなかった。 |
研究分担 | 資材動態・殺虫動態研薬剤耐性研 |
パーマリンク | https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030032104 |
収録データベース | 研究課題データベース |