沿岸域における微小動物プランクトンの消長(13)

沿岸域における微小動物プランクトンの消長(13)

課題番号1992005283
研究機関名南西海区水産研究所(南西水研)
研究期間完H01〜H03
年度1992
研究問題水域における生物生産機構の解明
大課題南西海域における低次生物生産機構の解明
中課題瀬戸内海における生物生産機構と環境要因の解明
小課題沿岸域における微小動物プランクトンの消長(13)
摘要北部広島湾においてほぼ毎月の採水調査を行い、栄養塩、クロロフィルaおよび微小動物プランクトンの季節変動を把握し、微小動物プランンクトンの植物プランクトンへの摂食率を測定した。河川水の影響を強く受ける湾奥部は湾口に近い南部海域よりも周年、低塩かつ高い栄養塩濃度で推移した。特に、燐酸態燐にくらべ無機態窒素が豊富であったことが特徴的である。豊富な栄養環境にある湾奥部ではクロロフィルaも周年、高く推移し、5〜6月と8〜9月の年2回のピークがみられた。また、春季から秋季はその多くを20ミクロン以下(微細藻類)の画分が占めていた。調査期間の平均クロロフィルaは湾奥ほど高く、微細藻類が多くを占める傾向にあった。微小動物プランクトンの個体数密度は4〜9月に高く、夏季の湾奥部では通常1リットルあたり数千個体を維持し、主体は有鐘繊毛虫類であった。調査期間の微小動物プランクトンの平均個体数密度はクロロフィルaと同様に湾奥ほど多く、どの調査点でも有鐘繊毛虫類が半数以上を占めていた。希釈法による摂食率測定結果から、湾奥部の微小動物プランクトンは年間平均で、1日に植物プランクトン全体の2割、微細藻類の3割を摂食していたことになり、微細藻類への効果的な摂食が示された。こうした結果から、閉鎖された富栄養海域は栄養塩環境や植物プランクトンの量やサイズ組成に特殊性をもち、その中で微小動物プランクトンは大きな生態的役割を果たしていることが明らかになった。
研究分担赤潮環境・漁保研
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030033242
収録データベース研究課題データベース

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