摘要 | 米の需要拡大の一環として、新たに育成された新形質米を素材に、多目的利用のアルコールへ省エネルギー・低コスト的に変換する技術の開発を目的として、原料米の糖化特性及びアルコール発酵特性について検討した。前年度までに回分試験による各種新形質米の特性解明を終了したので、今年度はバイオリアクターによる連続アルコール発酵を試み、最適条件の検討を行った。2l三連式のバイオリアクター(SAKURA TBR−2)にオートサンプラーとマイクロコンピューターを組込み、pH、DO、温度、撹拌速度等の制御の他、発酵液の取り出しおよび基質溶液の供給が任意の時間に行えるよう設計した。また、ラインの汚れや目詰まりを防ぐため、ダイリューターを付属して滅菌水による洗浄工程を取り入れ、改良を図った。酵母による発酵効率の良否を検討するため、リアクターをタービン内蔵型とエアーリフト型に改造して試験を行ったところ、酸素移動係数(KLa)は、前者が後者の2〜5倍大きく、撹拌速度が遅くなるほどその差は拡大する傾向にあった。アルギン酸カルシウムゲル固定化酵母による連続アルコール発酵では、撹拌によるゲルの破壊が少なく、酸素供給量の大きいタービン内蔵型の方が優れていると考えられた。 |