摘要 | ゲル濾過、陰・陽イオン交換、セロトニンによるアフィニティクロマトグラフィーでは、LH、FSHともに広範な単一のピークとして観察され、複数の画分への分画はできなかった。一方、逆相の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)においては、LH、FSHともに沢山のピークが観察され、糖鎖構造の違いによる分画の可能性が窺われた。しかしながら、大部分のLHは、0.1%のTFAによってサブユニットに解離してしまい、生物活性を保ったまま分画することはできなかった。また、FSHは、製剤の段階で既に多くの未重合物を含んでいた。豚LHの逆相HPLCによって分画された各ピークは214nmと280nmの吸光度の比が異なっており、各ピークの成分の構造が異なっている可能性が示唆された。またUVによる検出パターンとオルシノール硫酸法による糖の検出パターンは良く一致していた。逆相で分画したLHβサブユニットの各画分について、Neuraminidaseでシアル酸を除去しても溶出パターンに変化は認められなかった。一方、Endo−β−AcethylglucosaminidaseあるいはGlycopeptidase Aで糖鎖の一部または全部を除去した場合、いずれの画分においても糖鎖とペプチド部分がともに逆相カラムに保持されなくなった。 |