野鼠食害痕からの腐朽・変色被害の実態解明(463)
課題番号 | 1995004725 |
研究機関名 | 森林総合研究所(森林総研) |
研究期間 | 継H03〜H07 |
年度 | 1995 |
研究問題 | 北方系森林の高度に自然力を活用した管理技術の確立 |
大課題 | 北方系森林の生物被害回避及び生物管理技術の改善 |
中課題 | 森林病害回避技術の改善 |
小課題 | 野鼠食害痕からの腐朽・変色被害の実態解明(463) |
摘要 | 各地の野鼠食害木から分離された腐朽菌は、菌そうの生長速度や色調・性状、菌糸のクランプの有無、laccaseとtylosinaseの有無などから、257種類のグループに分けられた。既知の文献によってこれらの同定を試みたが、分離された腐朽菌のうち同定できたのはカイメンタケのみで、他はこれに該当するものがなかった。優占種は特になく、2カ所以上の採取地に共通してみられた腐朽菌は26種類に過ぎなかった。そのうちの23種類の腐朽菌について、カラマツとシラカンバの両材片を用い、重量減少率による腐朽力試験を行なった結果、最も減少率が大きかったのは分離株AB−14で、ついでNS−6,WZ−18(カイメンタケ)、HD−22の順であった。大部分の菌は、カラマツ材片よりシラカンバ材片で重量減少率が大きかった。特にNS−24,WZ−11はカラマツ材片での減少率が低く、これらは本来針葉樹の腐朽菌でないことが示唆された。逆にAG−5はカラマツ材片のみに重量の減少が見られた。以上の結果から、野鼠食害痕に起因する腐朽には、非常に雑多な腐朽菌が関与していることが明らかにされた。今後、腐朽・変色材の元素分析のためにエネルギー分散型X線分析装置が必要である。 |
研究分担 | 北海道・樹病研 |
パーマリンク | https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030047453 |
収録データベース | 研究課題データベース |