摘要 | リンゴわい化栽培においては台木や地域に適した樹形管理による様々な樹形がみられている。より適正な樹形の評価、改善のために、わい性台樹の生育特性を調査した。M.26台‘ふじ’を対象に、側枝の選定方法(間引き、40cm切返し、20cm切返し選定)と樹の生育、収量構成要素及び果実品質との関連を検討した。その結果、側枝本数は間引きで有意に少なくなった。頂芽及び花芽数は40cm切返し、間引き、20cm切返しの順となり、花芽率はいずれの場合もほぼ同程度であった。果実の大きさは40cm切返しでやや小さく、果実品質は処理間に差がなかったが、強い切返しでは着色が劣る傾向にあることなどが明らかにされた。また、わい性台樹とミツバカイドウ台樹の総枝数と枝容積、分枝次数ごとの枝数と容積割合を調査し、リンゴ樹の枝配置構造を明らかにし、同時にコンピューターによるリンゴ樹の樹形作図手法を考案、改良して高次分岐枝の作図プログラムを作成し、複雑な構造の樹形描写を可能にした。さらに、適正な樹形形成、維持のためには、定植から結実開始までの幼木期における樹形と生育特性の解明が重要であると考えられるので、定植1〜2年後の整枝・選定の影響について継続検討する。 |