被害拡大危惧病虫害の実態解明と被害対策技術の開発

被害拡大危惧病虫害の実態解明と被害対策技術の開発

課題番号2001001061
研究機関名独立行政法人森林総合研究所
研究期間新規2001〜2005
年度2001
研究問題森林に対する生物被害、気象災害等の回避・防除技術に関する研究
大課題生物被害回避・防除技術の開発
中課題森林病害虫の動向予測と被害対策技術の開発
小課題被害拡大危惧病虫害の実態解明と被害対策技術の開発
大項目国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置
中項目試験及び研究並びに調査
摘要1.当年度の研究目的 全国を6地域に区分して森林病害虫発生情報を解析し,被害の増減を予測する。カシ・ナラ類枝枯細菌病やホルトノキ萎黄病などの被害実態調査を進め,コウモリガの性フェロモン試験等を行う。 2.当年度の試験研究方法と成果 1)全国6地域における森林病害虫発生情報の解析による被害拡大の可能性予測 全国6地域についての森林病虫害発生情報を解析した。  北海道地域:庭園樹においてハウチワカエデのがんしゅ病害が拡がっている。カラマツ人工林において食葉性昆虫のニホンカラマツヒラタハバチ,ミスジツマキリエダシヤク,マイマイガの広域発生がみられた。マイマイガの被害拡大が懸念される。新たにツガカレハ,クスサン,ナミドクガなどの発生があった。 東北地域:スギ黒点枝枯病の梢端枯れ被害および新病害のヒノキ黒点枝枯病が発見され,また苗畑病害の葉ふるい病が20−30年生の壮齢林にもみられた。害虫では,1994年以来大発生が続いたカラマツハラアカハバチの被害は減少し,新たに,トドマツアミメヒメハマキ,オオスイコバネ,クスサンなどが発生した。 関東・中部地域では,ホルトノキ萎黄病が名所の寺社や庭園の大径木で新たに見つかり,マンサクの葉枯れ被害は確実に拡大している。従来近畿地方以西に分布していたマテバシイ等緑化樹害虫ムラサキツバメは1996年以降関東地域で散発的に発生し始め,2001年には関東全都県,山梨県と福島県で発生が確認された。  関西・中国地域:マンサク葉枯れ被害が拡がっている。この被害が原因で岡山県では、毎年冬季恒例の「まんさく祭り」が中止になった。スギザイノタマバエが九州地域から中国地域へ徐々に被害拡大している。マイマイガが日本海側・瀬戸内・近畿の広範囲で大発生している。  四国地域:昨年に続き香川県で干害によるヒノキ枯死が発生した。単木的・散発的発生だったクロツマキシャチホコが愛媛県のウバメガシ海岸林において80haに達する林分レベルで大発生した。これは,今後も拡大するものと見られる。 九州地域:ケヤキ広葉樹造林増加に伴いクワカミキリの穿孔被害が拡大している。フェニックスに枯損被害を起こす害虫ヤシオオオサゾウムシが福岡県で発見された。沖縄ではケブカトラカミキリとキオビエダシヤクの2種の被害が重なったため,これまで以上にイヌマキの枯死が拡大すると予想される。シロスジオサゾウムシが鹿児島県指宿市のアレカヤシに発生した。 各地域に発生した病害虫は分布拡大や被害増大が懸念され,動向を監視していく必要である。 2)カシ・ナラ類枝枯細菌病 当初は九州一部地域の栽培地での発生だけであったが九州全域の栽培地さらに造林地と天然林にも拡大している。また,イチイガシ人工林での新梢枯れ被害の原因となっていることを明らかにした。 3)ホルトノキ萎黄病 関東中部地域以外にも四国,九州本土と沖縄でも被害が発見され,街路樹と天然林を問わずホルトノキ分布地の西日本全域に被害拡大していることを明らかにした。 4)クワカミキリ 生態調査では,ケヤキ造林地0.7haに調査区を設定し,クワカミキリ幼虫の食害木が春期38.2%で,産卵期後の秋期には49.3%に増加していることを明らかにした。 5)コウモリガ 性フェロモン試験では,合成フェロモンを入れた容器の動きに合わせて雌が行動すること,また粘着版に設置したフェロモンに雌が反応することを確認した。
研究分担森林総合研究所 森林微生物領域 森林病理研究室
森林総合研究所 森林微生物領域 微生物生態研究室
森林総合研究所 森林昆虫研究領域 昆虫管理研究室
森林総合研究所 森林昆虫研究領域 チーム長
森林総合研究所 森林昆虫研究領域 森林生態研究室
森林総合研究所 北海道支所 森林生物研究グループ
森林総合研究所 北海道支所 チーム長
森林総合研究所 東北支所 チーム長
森林総合研究所 東北支所 生物被害研究グループ
森林総合研究所 関西支所 生物被害研究グループ
森林総合研究所 関西支所 生物多様性研究グループ
森林総合研究所 四国支所 チーム長
森林総合研究所 四国支所 流域森林保全研究グループ
森林総合研究所 九州支所 チーム長
森林総合研究所 九州支所 森林微生物管理研究グループ
森林総合研究所 九州支所 森林動物研究グループ
森林総合研究所 多摩森林科学園 教育的資源研究グループ
森林総合研究所 昆虫研究領域 昆虫管理研究室
業績(1)A new species of Pestalospaeria, the teleomorph of Pestalotiopsis neglecta( Pestalotiopsis neglectaの完全世代であるPestalospaeria属の1新種について)
(2)Inducing infection of oak logs by a pathogenic fungus carried by Platypus quercivorus (Murayama) (Coleoptera: Platypodidae)(カシノナガキクイムシによって媒介される病原菌のナラ丸太への感染)
(3)Interaction between seeds of family Fagaceae and their seed predators.(ブナ科種子とその捕食者間の相互作用)
(4)Reproductive character displacement in Lymantria monacha from northern Japan (北日本のノンネマイマイにおける生殖的形質置換)
(5)サクラてんぐ巣病の薬剤防除
(6)真冬に野外から採集されたムラサキツバメ蛹の羽化例
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030087303
収録データベース研究課題データベース

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