a 森林生態系における物質動態の解明

a 森林生態系における物質動態の解明

課題番号2006008662
研究機関名森林総合研究所
研究期間新規2006-2010
年度2006
研究問題イ 森林生物の機能と森林生態系の動態の解明に向けた基礎研究
大課題(イ)森林生態系の構造と機能の解明
中課題a 森林生態系における物質動態の解明
小課題a 森林生態系における物質動態の解明
大項目第2 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するため取るべき措置
中項目(1)重点研究領域
摘要・ 環境汚染物質として流入する鉛やカドミウムの蓄積実態を明らかにするため、茨城県内の森林において土壌や植物体での蓄積量を調べた結果、最表層の土壌には下層土に比べて鉛が6倍、カドミウムが15倍の濃度を示し、両元素は表層土壌に高濃度で蓄積していることを明らかにした。鉛について同位体分析を行った結果から、大気や降雨を通じて外部から流入した鉛は、主に土壌最表層に蓄積するが、根から吸収されて樹体にも蓄積し、一部は落葉として土壌に還り生態系内を循環していることを明らかにした。気候変動に伴う土壌の乾燥化が樹木細根の動態に与える影響を明らかにするため、28年生スギ人工林に降雨遮断区と対象区を設置して、スギ細根の生産・枯死量を比較した結果、降雨遮断区の細根量は4ヶ月後に対象区の30%にまで減少し、細根枯死量は6ヶ月後には対象区の2倍に上昇した。これらのことから、スギの場合、細根の現存量や枯死量の増加を指標として、土壌の乾燥ストレスを評価できる可能性があることを示した。 ・ 筑波共同試験地の森林小流域において、流出水の水素安定同位体比(δD)を解析した結果、出水全期間の流出量(mm)の77%は以前に降った“古い水”で形成されていたが、ピーク流量(mm/h)の60%は当該降雨による“新しい水”で占められていることを明らかにした。常陸太田試験地のスギ・ヒノキ林において、降雨の流入から流出に至る各段階の水及び樹木の樹液のδDを解析し、150cmより浅い土壌水のδDは降雨のδDの影響を強く受けていること、スギ樹液のδDはヒノキに比べて値が低く土壌水に近いこと等を明らかにした。これらのことから、流域水収支や森林内での水移動過程の解明に安定同位体比を指標とした解析が有効であることを示した。タワーフラックス観測データについて、乱流変動法による熱フラックス解析を行い、エネルギー収支における乱流フラックスの過小評価の存在を確認し、潜熱フラックスの精査の必要性を明らかにした。3次元乱流シミュレーションモデルの改良を行い、エアロゾル等の大気中の微粒子の濃度変化や拡散過程の解析を可能とした。
研究分担森林総合研究所 企画部
予算区分林野庁交付金 文科省[科研費] その他
業績(1)Determination of seasonal and regional variation in the provenance of dissolved cations in rain in Japan based on Sr and Pb isotopes(SrおよびPb同位体による日本の降水中の溶存カチオンの起源の季節的地域的変動の測定)
(2)九州山地とその周辺にみる褐色森林土−普通褐色森林土から黄褐色森林土−
(3)Components and seasonal variation of nighttime total ecosystem respiration in a Japanese broadleaved secondary forest(日本の広葉樹二次林における夜間の総生態系呼吸量の内訳と季節変化)
(4)スギ林土壌の窒素無機化特性とそれに及ぼす環境変動や施業の影響
(5)Soil nitrogen dymnamics in a larch forest, central Siberia: A short review of preliminary results.(中央シベリアのカラマツ林における窒素動態:予備調査のとりまとめ)
(6)Contribution of forest fire and land covers to emissions of CO2, CH4, and N2O in central Yakutia(中央ヤクーティアにおける森林火災および土地被覆変化がCO2、CH4、N2Oフラックスにおよぼす影響)
(7)ヒノキ人工林および隣接する落葉広葉樹林における土壌の撥水性の空間分布
(8)林地の土壌侵食と森林
(9)樹木と土壌のかかわり
(10)三宅島のスコリア由来土壌と2000年噴火
(11)褐色森林土、九州山地とその周辺にみる褐色森林土−普通褐色森林土から黄褐色森林土−
(12)母岩・母材因子
(13)京都府南部の広葉樹二次林における根現存量および根表面積
(14)森林土壌の撥水性を規定する土壌団粒外表面の化学組成
(15)中部地方の森林土壌
(16)日本の森林土壌に適合するガス拡散係数推定式について−主として黒色土と褐色森林土を対象として−
(17)四万十川源流部の森林における降雨時の硝酸態窒素流出特性
(18)大台ケ原においてニホンジカとミヤコザサが表層土壌の温度・水分状態に及ぼす影響
(19)第3章日本の土壌の生成特徴と利用 7.四国地方の土壌 12.棚田跡地の土壌の変化 4.棚田跡地の土壌の変化
(20)地形因子
(21)窒素施肥がスギ人工林の細根動態に与える影響
(22)1.1 Climate in Sabah and at the research site(サバ州と試験地の気象条件)
(23)CO2, CH4, and N2O fluxes from a larch forest soil in Central Siberia. (中央シベリアカラマツ林土壌からのCO2、CH4、N2Oフラックス)
(24)1.2 Site conditons and soils in Sabah and at the research site (サバ州および試験地の立地環境と土壌)
(25)Sap flow estimates of stand transpiration at two slope positions in a Japanese cedar forest watershed(斜面位置の異なるスギ林分での樹液流速測定による蒸散量推定)
(26)1.3.3 土壌環境変化のメカニズム d.山地・森林
(27)3.1 Nurse trees(保護樹)
(28)7.1 Agrosilvicultural guidelines for creating indigenous tree species stands(自生種造林のための複合農林施行ガイドライン)
(29)4.2 Effect of thinning on site environment(立地環境に及ぼす間伐の効果)
(30)Atmospheric lead and cadmium deposition whithin forests in the Kanto district, Japan.(関東地域の森林への大気由来鉛、カドミウムの沈着)
(31)Carbon isotope ratios of soil organic matter, the distribution of melanic Andisols and their implications for past vegetation changes in the Akka Karst, northeastern Japan(安家カルストにおける土壌有機物の炭素同位体比、黒色土の分布とそれらの過去の植生変化の指標)
(32)Callose concentrations in tree roots (樹木根のカロース濃度)
(33)An experimental study on temporal and spatial variability of flow pathways in a small forested catchment(森林小流域における雨水流動経路の変動特性に関する研究)
(34)Change of evapotranspiration components due to the succession from Japanese red pine to evergreen oak(アカマツ林からシラカシ林への植生遷移による蒸発散構成要素の変化)
(35)Comparative study on soil carbon storage of permafrost ecosystems in Northeastern Eurasia.(北東ユーラシアの永久凍土生態系における土壌炭素集積量)
(36)Change of water balance during the succession from Japanese red pine to evergreen oak(アカマツ林からシラカシ林への植生遷移による水収支の変化)
(37)Callose in root apices of European chestnut seedlings: a physiological indicator of aluminum stress (ヨーロッパグリ苗の根端カロース)
(38)Plant canopy effects on soil thermal and hydrological properties and soil respiration.(土壌呼吸に与える樹冠特性の熱的水的影響)
(39)Effects of soil and vegetation types on soil respiration rate in latch plantations and a mature deciduous broadleaved forest in northern Japan.(北日本の成熟落葉広葉樹林とカラマツ植林地における土壌呼吸に土壌タイプと林床植生が及ぼす影響)
(40)Effects of chronic nitrogen application on the growth and nutrient status of a Japanese cedar (Cryptomeria japonica) stand (窒素添加がスギ林の成長と養分状態に及ぼす影響)
(41)Development of an automatic chamber system for long-term measurements of CO2 flux from roots(根系からのCO2フラックス長期観測のための自動チャンバーの開発)
(42)Effect of forest stands succession on groundwater recharge process due to the global warming(地球温暖化によって生じる森林の植生遷移による地下水涵養プロセスへの影響)
(43)Fine root dynamics in a Japanese cedar (Cryptomeria japonica) plantation throughout the growing season
(44)Practical applicability of high frequency correction theories to CO2 flux measured by a closed-path system(閉光路法で測定するCO2フラックスに対する高周波補正理論の実用性)
(45)Exudations of organic acid anions from poplar roots after exposure to Al, Cu and Zn (Al, Cu Zn処理されたポプラ苗からの有機酸の浸出).
(46)Estimation of mean residence times of subsurface waters using seasonal variation in deuterium excess in a small headwater catchment in Japan(日本の源頭部小流域におけるd値の季節変動を用いた地中水の平均滞留時間の推定)
(47)Numerical experiments of watershed scale soil water movement and bedrock infiltration using a physical three-dimensional simulation model(三次元浸透解析を使った土壌の水移動と基岩浸透の流域スケールの数値実験)
(48)Impacts of logging disturbance on hillslope saturated hydraulic conductivity in a tropical forest in Peninsular Malaysia (半島マレーシア熱帯林における斜面の飽和透水係数に関する伐採のインパクト
(49)Nitrogen budget in a rehabilitation forest on degraded granitic hills. (花崗岩丘陵のはげ山緑化林における窒素収支)
(50)Organic Acids in Roots and Root Exudates (根と根の浸出物における有機酸).
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030092768
収録データベース研究課題データベース

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