摘要 | 放流効果の実証技術を開発するため、放流サイズ等の検討や道府県と連携した調査体制の構築を行い、瀬戸内海のサワラでは100mmサイズ放流群の1歳魚までの回収率及び経済効率を推定した。宮古湾で放流したニシンでは、北海道噴火湾までの広範囲の回遊を明らかにし、ヒラメでは人工種苗放流魚が親魚として再生産に寄与して子孫を残し、種苗放流効果が次世代まで受け継がれることを明らかにした。サケの健全な種苗の評価基準を明らかにするために、雄親魚の受精能力の変化等を調べ、また、地域特性に合わせた健苗育成・放流技術を確立するため、全国17河川で親魚の管理実態調査を実施した。日本系さけます類の遺伝的集団構造と多様性レベルを解明するため、サケ、カラフトマス及びサクラマスについて、遺伝マーカーの開発を行った。また、サケ、カラフトマス及びサクラマスの遡上親魚から耳石を採集し、母川回帰精度推定に必要なデータの収集を行うなど遺伝的多様性に配慮した資源培養技術の開発が進捗している。 |