摘要 | (1)日中WGS合作により平均スキャフォルドサイズが3Mbの高精度カイコゲノムシーケンスが得られ、染色体の80%以上をスキャフォルドでカバーすることができた。(2)カイコ完全長cDNAデータベースの構築を進め、18年度は4,000個を超える完全長cDNA配列を決めた。(3)1,738個のSNPマーカー(BACマーカー)がのった高密度連鎖地図ができた。これによりスキャフォルドを染色体上にマップすることができた。また、体色や食性、病気への抵抗性等いくつかの重要形質変異体の原因遺伝子のポジショナルクローニングに有効であり、それらの位置を絞り込むことができた。(4)カイコゲノムシーケンス情報、連鎖地図情報、物理地図情報、EST情報を統合したデータベースKAIKObaseを構築し、共同研究者が利用できる環境を整備した。(5)カイコ2型濃核病ウイルス抵抗性の原因遺伝子(nsd-2)として単離した欠損型膜タンパク質遺伝子の相補性検定を形質転換法によって行い、目的の遺伝子であることが証明された。(6)各種のプロモーターの位置効果を調べた結果、カイコの細胞質アクチン遺伝子の上流をプロモーターとするミューテーターA3GAL4が最も効率が高いことが示された。また、効率良くミューテーターを転移させることのできるジャンプスターター系統が確立した。 |