摘要 | 日本の森林は林床にササ類を伴うことが大きな特徴であるが、ササは動植物の生存や多面的機能などにも影響を及ぼす。多雪地帯に分布するチシマザサの分布を決める気象要因を解析し、温暖化に伴うチシマザサの分布変化を予測した。その結果、温暖化の進行により日本海側の低地のチシマザサが消失し、全国の生育面積は半減すると予想された。また、生物群集の動態を支配する要因には、互いに利益を与え合う相利共生関係があるが、その実態が確認された例はほとんどない。アトボシキタドロバチのアカリナリウム(ダニポケット)に入り運ばれるダニは、ドロバチの天敵のハチを退治することを観察し、共生関係にあることを初めて確認した。 |