摘要 | メコンデルタ地域でのミカンキジラミ成虫の発生は、乾季後半〜雨季前半に高まり、その後低下する。一方、グリーニング病の病勢進展は、ミカンキジラミ発生に3〜5カ月遅れる。そこで、雨季後半に無病苗を定植10日前に浸透移行性のネオニコチノイド系殺虫剤を施用して定植すれば生育初年の感染率を大幅に減少できることを実証した。グァバ混植によるグリーニング病抑制効果は、生育初期(苗定植後約1年半)に限定されることを明らかにした。また、グァバに発生した黄化枯死症状はベトナム初記録であるネコブ線虫の寄生による可能性が高いことを明らかにした。人工気象器を用いた飼育試験により、ミカンキジラミの保毒率が気温の影響を大きく受けることを明らかにした。ハムシ幼虫をココヤシ新葉粉末、スクロース、カゼイン、ビタミン混合物等を含む寒天培地で人工的に飼育することを可能にした。これにより、ココヤシ新葉を用いず安価に寄生蜂類を飼育できる可能性が得られた。寄生蜂が未放飼であったベトナム中部で放飼を行い、ハムシへの寄生率とココヤシ被害の調査を開始した。 |