g.環境性・常在性疾病の診断と総合的防除技術の開発

g.環境性・常在性疾病の診断と総合的防除技術の開発

課題番号2008010674
研究機関名農業・食品産業技術総合研究機構
研究期間2006-2010
年度2008
大課題B 人獣共通感染症、新興・再興感染症及び家畜重要感染症等の防除技術の開発
中課題g.環境性・常在性疾病の診断と総合的防除技術の開発
小課題g.環境性・常在性疾病の診断と総合的防除技術の開発
大項目試験及び研究並びに調査に係る研究の推進方向
中項目ウ 食の安全・消費者の信頼確保と健全な食生活の実現に資する研究
摘要1)牛の異常産等の原因となるアルボウイルスの分子疫学的特徴および抗原性状に関する解析から、現行の牛流行熱ワクチンの効果に影響するような抗原変異は認められないことを解明するとともに、ブルータングウイルスは日本、近隣アジア諸国、オーストラリアを含む大きな遺伝子プール内で変異を起こしながら流行を繰り返していることを示唆した。本ウイルスを媒介するヌカカの成虫および幼虫の調査を行い、オーストラリアヌカカが九州以北にも広く分布していることを確認した。また、人工吸血装置を用いてウシヌカカがアカバネウイルスに対して感受性を持つことを証明した。2)牛に下痢を起こす牛コロナウイルスの簡易遺伝子型別法を開発するとともに、特定の遺伝子型に中和能を示すモノクローナル抗体を見出した。搾乳障害を起こす乳頭腫の原因を確認するため、新型乳頭腫ウイルスの動物感染実験により同ウイルスが上皮性乳頭腫病変を形成することを証明した。牛由来サルモネラSalmonella Typhimuriumのパルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)を用いた解析により、近年、新たなPFGE型を示す多剤耐性株が増加していることを明らかにした。黄色ブドウ球菌による乾乳期乳房炎の発生機序を調べ、慢性期に移行する過程でIL-8を介した炎症機構が働くこと、および乳汁中のゼラチナーゼ活性が上昇することを明らかにした。また、乾乳期にアポリポたんぱく質E濃度の上昇が確認された牛は分娩後周産期疾病を発生しやすいことを示唆した。3)牛の重要な呼吸器病起因病原体の一つMannheimia haemolyticaのキノロン耐性決定遺伝子領域におけるアミノ酸置換を見出した。本知見はナリジクス酸耐性株が比較的容易にニューキノロン系薬剤耐性株に変異することを示すものであり、使用抗生物質の選択は慎重に行う必要があることの科学的根拠を実証した。牛呼吸器病ウイルスに対する抗体調査により、ワクチン未接種の農場で牛ウイルス性下痢ウイルス1型および牛アデノウイルス3型の重感染が疑われる例が認められ、また、東北6県の養豚場の調査から重篤な感染を起こしている豚における豚増殖性腸炎の原因となるローソニア菌、Lawsonia intracellularis陽性率が個体別で14.3%、農場別で24.3%であったことなど、複合感染の実態および重篤化機構に関する重要な知見を得た。4)新たに牛血液測定用に改良した携帯型近赤外装置を放牧衛生検査に応用し、簡便迅速な貧血検査法を開発した。下痢への関与が疑われているジアルジア原虫Giardia spp.について、ゲノム性状の究明に向けて、免疫磁気ビーズによるふん便中のシストの精製と凍結融解による同原虫シストからのDNA分離に成功した。菌種特異モノクローナル抗体を応用した免疫クロマトグラフィによる豚由来スピロヘーターの迅速同定法を開発した。
研究分担(独)農業・食品産業技術総合研究機構,動衛研,環境・常在疾病研究チーム
協力分担関係北海道家畜保健衛生所
青森県家畜保健衛生所
栃木県家畜保健衛生所
富山県家畜保健衛生所
大阪府家畜保健衛生所
高知県家畜保健衛生所
長崎県家畜保健衛生所
沖縄県家畜保健衛生所
農業生物資源研究所
化学及血清療法研究所
予算区分技会交付金研究 新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業 委託・現場即応研究[リスク低減プロ] 文科省・JST競争的資金 その他
業績(1)第11回九州・山口・沖縄病理事例研修会(九州支所−2007)における症例
(2)PCR-制限酵素断片長多型(RFLP)を用いた牛コロナウイルス遺伝子型別法
(3)アカバネウイルスによる牛の脳脊髄炎とその診断法
(4)Encephalomyelitis of cattle caused by Akabane virus in southern Japan in 2006
(5)Phylogenetic studies of bovine coronaviruses isolated in Japan
(6)Bovine papillomavirus type 9 induces epitherial papillomas on the teat skin of cattle
(7)Development of typing methods of Actinobacillus pleuropneumoniae based on the antigenic and genetic diversity of the protective outer membrane lipoprotein
(8)鹿児島県で発生した若齢牛の非化膿性脳脊髄炎
(9)Effects of intramammary infusions of interleukin-8 on milk protein composition and induction of acute-phase protein in cows during mammary involution
(10)Molecular epidemiological analyses of the teratogenic Aino virus based on the sequences of a small RNA segment
(11)家畜アルボウイルスの流行動態
(12)Identification of weakly beta-hemolytic porcine spirochetes by biochemical reactions, PCR-based restriction fragment length polymorphism analysis and species-specific PCR
(13)Serotyping of Mannheimia haemolytica isolates from bovine pneumonia: 1987-2006
(14)Excitatory and inhibitory 5-hydroxytryptamine (5-HT) receptors expressed in the isolated porcine uterine muscles
(15)牛ウイルス性下痢ウイルス汚染豚房における牛ウイルス性下痢ウイルス感染試験
(16)Climate change impacts and risks for animal health in Asia
(17)Bovine epizootic encephalomyelitis caused by Akabane virus in southern Japan
(18)沖縄県で分離された牛流行熱ウイルスの分子疫学的解析
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030093414
収録データベース研究課題データベース

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