g.自給飼料の高度利用による高泌乳牛の精密飼養管理技術と泌乳持続性向上技術の開発

g.自給飼料の高度利用による高泌乳牛の精密飼養管理技術と泌乳持続性向上技術の開発

課題番号2009013856
研究機関名農業・食品産業技術総合研究機構
研究期間2006-2010
年度2009
大課題B 自給飼料を基盤とした家畜生産システムの開発
中課題g.自給飼料の高度利用による高泌乳牛の精密飼養管理技術と泌乳持続性向上技術の開発
小課題g.自給飼料の高度利用による高泌乳牛の精密飼養管理技術と泌乳持続性向上技術の開発
大項目試験及び研究並びに調査に係る研究の推進方向
中項目イ 農業の競争力強化と健全な発展に資する研究
摘要1)自給飼料利用による高泌乳牛の乳生産向上のための精密栄養管理技術において、(1)ウシ第一胃上皮細胞のNa依存性酢酸輸送活性の存在、及びNa濃度勾配を形成するNa/KATPアーゼの第一胃上皮基底側細胞での局在を明らかにした。これはVFA(揮発性脂肪酸)の吸収過程にNaが関与し、これまであまり重要とされなかったNaを利用した栄養素吸収の制御、Na給与によるVFA吸収促進という精密栄養管理技術につながる可能性がある。(2)とうもろこしサイレージ(CS)は、TMR中に約40%含めた場合、グラスサイレージ(GS)や乾草といった粗飼料源に比べ、泌乳期での第一胃pHを低くするが、採食量、乳量を低下させない利用可能な粗飼料源であることを示した。また乾乳期にCSを含むサイレージ主体の不断給飼では分娩後にβヒドロキシ酪酸(ケトン体の一種)が著増しケトーシスを発症したが、乾乳期に乾草割合を40%、TDN充足率110%の条件でのCSの利用はケトーシス発症をなくした。 2)周産期疾患予防のための乾乳期管理において、乾乳期を110日から30日に短縮した結果、泌乳前期の4%乳脂補正乳量は経産牛では低下せず、乳たんぱく率が上昇し、初乳中のラクトフェリン濃度が上昇した。また、分娩後の体重やBCS(肥痩スコア)の低下が小さく、初回発情・授精日数、授精回数などは変わらず繁殖障害は認めなかったことは、30日間の乾乳期短縮技術が負のエネルギーバランス改善に基づく周産期予防及び繁殖性向上に有効なことを示す。3)最適な分娩間隔を可能にする繁殖管理技術において、早期排卵牛は分娩前後で血中酸化ストレスマーカーであるチオバルビツール反応物(TBARS)濃度が分娩前後で低い傾向を認め、早期排卵牛を知る繁殖管理上の先行指標となることを明らかにした。また、分娩前後の標準的なCS給与ではTBARS濃度は低く酸化ストレスにかかっていないこと、摂取抗酸化物質に対する血漿中抗酸化物質の効率は分娩に近づくと低下し分娩1週後で最低になり、その後やや回復することを示した。4)乳腺活性制御機構の解明による泌乳持続性向上技術において、牛乳由来のラクトフェリンは、乳腺組織から採取した乳腺上皮細胞の増殖を抑制し、乳期の進行に伴って乳中濃度が上昇した。これは、乳中ラクトフェリンが泌乳中・後期の乳腺機能を抑制し、泌乳持続性を低下させることを示す生理活性マーカーとなる可能性を示した。5)持続的乳生産に適した遺伝的評価モデル等の乳牛の効率的育種技術において、(1)泌乳持続性を高くした場合、6産までの乳量を増加させるためには搾乳日数を長くする必要があるが、一方で平均世代間隔が増加して遺伝的な改良が損なわれる。これらを勘案して、6産までの平均日乳量を最大にする最適搾乳日数を示した。(2)乳検データから年次が進むにつれ泌乳持続性の向上を認めた。乳中体細胞数が40万個/ml以上の場合の体細胞数は、乳質の不健全性としての指標として有効であった。泌乳前期の体細胞数の増加が表型値としての泌乳持続性を増加させるため、増加した体細胞数の影響を補正しないと遺伝的な泌乳持続性を過大評価することを示し、体細胞数が泌乳持続性の効率的育種を行う上で検討すべき因子であることを示した。
研究分担(独)農業・食品産業技術総合研究機構,北農研,自給飼料酪農研究チーム
協力分担関係雪印種苗
道立畜産試験場
酪農学園大
北海道立根釧農業試験場
ホクレン農業協同組合連合会
帯広畜産大学
(株)IHIスター
予算区分技会交付金研究 新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業 委託・食料供給力強化研究[えさプロ]
業績(1)分娩後のケトーシス発症を低減する乾乳後期のとうもろこしサイレージ給与法
(2)Synergistic effect of dexamethasone and prolactin on VEGF expression in bovine mammary epithelial cells via p44/p42 MAP kinase
(3)尿素およびしょうゆ粕の添加がバレイショでんぷん粕サイレージの発酵品質,栄養価および窒素出納に及ぼす影響
(4)Economic weights for genetic improvement of lactation persistency and milk yield
(5)Theoretical efficiency of multiple-trait quantitative trait loci-assisted selection
(6)初産乳牛における泌乳初期の採食量、採食行動および消化管内容物滞留時間
(7)Changes in the cycling of nitrogen, phosphorus, and potassium in a dairy farming system
(8)Evaluation of drinking water intake, feed water intake and total water intake in dry and lactating cows fed silages
(9)Relationship between the lactation curve and udder disease incidence in different lactation stages in first-lactation Holstein cows
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030093568
収録データベース研究課題データベース

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