c.温暖地における油糧作物を導入したバイオマス資源地域循環システムの構築

c.温暖地における油糧作物を導入したバイオマス資源地域循環システムの構築

課題番号2009013958
研究機関名農業・食品産業技術総合研究機構
研究期間2006-2010
年度2009
大課題A バイオマスの地域循環システムの構築
中課題c.温暖地における油糧作物を導入したバイオマス資源地域循環システムの構築
小課題c.温暖地における油糧作物を導入したバイオマス資源地域循環システムの構築
大項目試験及び研究並びに調査に係る研究の推進方向
中項目エ 美しい国土・豊かな環境と潤いのある国民生活の実現に資する研究
摘要生産性の高いなたね・ひまわり品種の選定及び安定栽培技術等の開発では、1)生産性の高いひまわり品種の育成に向けて、鳥害抵抗性やわい性を付与した育成系統等について、土壌水分が高い転換畑における栽培試験を行い、旺盛な生育を示す個体を選抜した。また、鳥害抵抗性を有する品種を見出した。さらに、草型が大きく耐倒伏性が極弱という本品種の欠点を改良するため、わい性を付与する交配を行うとともに、後代について転換畑で集団選抜を行い、わい性で花径の大きい有望個体を選抜した。2)小明渠浅耕播種機を用いた水稲跡のなたね栽培では、転換初年目は砕土性が悪いため、株立ちを確保するには播種前の耕うんが必要となるが、2年目以降は砕土性が改善されているため播種前耕うんを省略できることを明らかにした。3)なたねの乾燥調製に際して、乾燥前に唐箕選別で未熟種子を除去すると粗油中の粗脂肪含量を高め、油の酸価を下げられること、木質ペレットボイラー型循環式乾燥機を使用すると灯油を使用する場合に比べ、間接加熱のため1.6倍の熱量を必要とするが、乾燥水分1t当たりのCO2発生量を38.3kg削減できることを明らかにした。また、稲わらを燃料用ペレットに加工する際の適正水分含量は20〜22.5%であり、作製したペレットは1,150℃まで溶融しないことを明らかにした。4)ひまわりにおいて、湛水が生育、収量及び品質に及ぼす影響は時期によって異なり、苗立期の湛水処理では生育や収量が有意に低下し、開花期や成熟期の湛水処理ではオレイン酸割合が低下することを明らかにした。5)ひまわりの播種精度を高めるため、播種機におけるリンクベルト式及びスライドロール式の繰り出し機構を検討し、走行速度0.6m/sにおいて、ひまわり種子(品種「春りんぞう」)の繰り出し率が90%以上確保できることを明らかにした。また、なたね収穫後にひまわりを栽培する場合は、なたね残さを鋤込み後1週間以上経過してから播種するとひまわりの発芽率が向上することを明らかにした。  中山間地域のひまわり・麦作付体系における窒素・炭素循環システムの経済性・環境性を評価するため、1)暗渠埋め戻し部の更新による排水対策を講じた転換畑では、梅雨など降雨が多い時期であっても作土内滞留水は生じず、水分張力変化も速やかに回復したことから、本排水対策は十分な効果があると判断できた。ひまわり根の分布は、水分環境の異なる現地地区間では大きく異なり、アーバスキュラー菌根菌(AM菌)の感染率は根の発達が良い地区で高い傾向を認めた。また、20年度に開発したひまわり用播種ロールが試験販売され、現地生産組合において利用された。2)ホルスタイン種乳牛におけるひまわり搾油残さの給与は、乳量及び乳成分へは影響しないが、乳脂肪中の脂肪酸組成に影響を与え、給与量が多いほど不飽和脂肪酸の比率が増加することを明らかにした。3)島根県斐川町におけるひまわり栽培の現地試験については、20年度に高い収量を得られたものの、21年度は異常な多雨により播種が遅れ低収量にとどまり、安定生産に課題が残った。また、低収量のため調査が実施できず、ひまわりを組み込んだバイオマス資源の地域循環システムの経済性評価は実施できなかった。 油糧作物が地域活性化に及ぼす影響を解明するため、1)ひまわりの現地試験を転換畑水田で実施し、排水不良の場合には、プラウ耕と小明渠播種機とを組合せることにより160〜275kg/10aの収量が得られることを示した。ひまわりの栽培・多段階利用が地域活性化に及ぼす影響を明らかにするため、茨城県行方市における事例を対象に試算し、ひまわりの単収及び単価がそれぞれ150kg/10a以上、200円/kg以上で、かつひまわりから製造した精製油の卸売価格が2,400円/L以上であれば、栽培者、油製造者ともに経済的に成り立つことを示した。 バイオマス利用の経済性を高めるための技術開発では、1)なたね搾油におけるマイクロ波予措では、加熱時の蒸気を逃がす等の改良を行った結果、搾油率が8.3%向上し、搾油動力を27%削減できることを明らかにした。また、なたね及び大豆の圧搾ケーキ・圧片フレークに含まれる油分は、超臨界炭酸ガス抽出によりほぼ100%近く抽出できること、補助溶媒としてエタノールを添加すると抽出率が飛躍的に高まること、炭酸ガスを反応容器の下方より上方へ流すことでも抽出率が高まることを明らかにした。2)小型可搬型SDF(STING Diesel Fuel)製造装置において、食品工場の廃油脂からSDFを製造する際の前処理には遠心分離方式が適していることを明らかにした。また、都市部では、廃食油を全てバイオ燃料として利用すると、CO2排出量を廃食油の処理やバイオ燃料に相当する軽油の消費等により排出される量の20%以下まで削減できることを明らかにした。
研究分担(独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,バイオマス資源循環研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,近農研,中山間耕畜連携・水田輪作研究チーム
協力分担関係岩手県農業研究センター
福島県農業総合研究センター
茨城県農業総合センター
予算区分技会交付金研究 新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業 その他
業績(1)Glucosinolate content in rapeseed in relation to suppression of subsequent crops
(2)Effects of day length and air and soil temperatures on sesamin and sesamolin contents of sesame seed.
(3)10年以上連作した畑作物の収量に及ぼす土壌燻蒸と有機物の影響
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030093670
収録データベース研究課題データベース

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