マグロ類の人工種苗による新規養殖技術の開発

マグロ類の人工種苗による新規養殖技術の開発

課題番号2009014081
研究機関名(独)水産総合研究センター,長崎県(総合水産試験場),近畿大学,東京海洋大学,長崎大学,鹿児島大学,(財)阪大微生物病研究会,林兼産業(株)
研究期間2007-2010
年度2009
小課題マグロ類の人工種苗による新規養殖技術の開発
摘要(1)借り腹技術の開発では、生細胞用の膜標識蛍光試薬であるPKH26 (Sigma製)を標準プロトコールの5倍の濃度で用いることで、99%以上の細胞を明瞭な赤色蛍光で標識することが可能で、その蛍光標識は少なくとも2週間以上持続することが明らかとなった。また、標識後の細胞生残率は98%以上の高い値を示した。若齢魚での採卵技術の開発では、養殖飼育環境下において、(1)至適環境で飼育することで雌クロマグロは3歳魚で採卵が可能であること、(2)養成施設による差はあるものの奄美、五島、紀伊大島では一部の個体が成熟することが明らかとなった。さらに、3歳魚雌クロマグロが産卵に至るためは、高齢魚(5歳魚〜)同様、産卵期直前の急激な水温変化が必要であることが推測された。(2)成熟・産卵に及ぼす要因と産卵適地の解明では、国内産卵海域間の産卵状況と水温,照度(日長時間)の比較から、本種の産卵開始要因としての環境条件は、日長に比べて水温の影響を大きく受けていると推察された。また、卵のmtDNA分析により、同じ奄美海域内の1つの産卵場を除く4機関では雌親魚の10〜20%程度が産卵に関与していると推察され、GSIの成熟率と一致することが分かった。卵質の向上に適した親魚用配合飼料の開発でが、生殖腺分析と受精卵分析の結果から、脂質中のDHA割合は生殖腺で13-17%であるのに対し、受精卵では23-29%と有意に高くなっていることから、DHAが重要な栄養素であることが推測された。(3)種苗生産技術の高度化に向けた研究開発では、種苗生産過程の初期減耗を抑える飼育技法として、夜間通気増大法と全明飼育が有効であることが明らかとなり、各々を量産水槽に応用することで沖だし尾数、生残率共に向上した。稚魚期の衝突及び擦れの防除に対して、稚魚の明暗視反応を利用することが有効である可能性を見いだした。仔稚魚用配合飼料の開発では、孵化仔魚様飼料(hatchout larvae-like diet)にイノシン酸を添加することにより飼育成績の向上が見られるとともに、新たにベタインによる摂餌の改善効果が示唆された。(4)イリドウイルス病の防除技術の開発では、イリド不活化ワクチンのクロマグロ人工種苗における安全性及び有効性を室内と野外(臨床研究)で検討したが、イリドウイルス以外の死亡が多く、死亡率での有意な差は認められなかった。しかし、野外でイリドウイルス感染症の流行は確認され、僅かながらワクチン投与群の方が対照群よりイリドウイルス陽性の死亡魚が少なかった。ハンドリング方法については良好な方法が開発できていないが、麻酔剤の候補としては2-フェノキシエタノールが有効と考えられた。肉質評価と養殖用配合飼料の開発ではマッシュポテト状飼料の嗜好性が高く、乾燥しても嗜好性が低下しないことが明らかになった。マッシュポテト状飼料使用の成長は生餌よりも劣るが、内分泌的には成長ポテンシャルがあると考えられた。また、天然魚と養殖魚の肉質特性の長短所が判明し、配合飼料によるマグロ生産の効果が明らかになった。
予算区分新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業
業績(1)Onset and development of cannibalistic and schooling behavior in the early life stages of Pacific bluefin tuna Thunnus orientalis
(2)脳下垂体タンパク質ホルモン
(3)Status of the sinking of hatchery-reared larval Pacific bluefin tuna on the bottom of the mass culture tank with different aeration design
(4)Onset and development of cannibalistic and schooling behavior in the early life stages of Pacific bluefin tuna Thunnus orientalis
(5)Development of spermatogonial cell transplantation in Nibe croaker, Nibea mitsukurii(Perciformes, Sciaenidae)
(6)Status of Bluefin Tuna Farming,Broodstock Management, Breedingand Fingerling Production in Japan
(7)Testes maturation of reared Pacific bluefin tuna, Thunnus orientalis Temminck and Schlegel, at two plus years old
(8)Assessment of the nutritional status of field-caught larval Pacific bluefin tuna by RNA/DNA ratio based on a starvation experiment of hatchery-reared fish.
(9)Biology of Pacific bluefin tuna inferred from approaches in captivity.
(10)水産総合研究センター(旧日本栽培漁業協会)によるクロマグロ栽培漁業技術の開発
(11)魚類における雄性ホルモンの産生ならびに受容機構
(12)採卵時期と飼育水温がクロマグロ仔魚の初期生残と成長に与える影響
(13)cDNA cloning and expression analysis of a vasa -like gene in Pacific bluefin tuna Thunnus orientalis
(14)Preliminary Observations on the Development of Cannibalistic Behavior in Pacific Bluefin Tuna Thunnus orientalis
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030165790
収録データベース研究課題データベース

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