病害虫及び土壌肥料に関する素材開発研究 、 、

病害虫及び土壌肥料に関する素材開発研究 、 、

県名長野県
研究機関名長野県南信農業試験場
課題種別試験研究課題
研究期間継H20〜24
年度2011
概要1.病害虫の発生予察と防除技術
、(1)ナシ・カキの減農薬防除体系の確立
、目的:天候不順下におけるナシ黒星病の効率的防除法を検討する。カキの主要病害であるカキ円星落葉病の効率的な防除方法を検討する。 りんごに続きなしに被害拡大している暖地性病害「赤衣病」について、かきに対する危険性を検討する。ナシマダラメイガのフェロモントラップ捕獲消長と実際の羽化消長を比較し、発生予察技術を確立する。
、成果:DMI剤に次ぐ効果を持つ薬剤を選定した。果実肥大期に使用する薬剤の問題点を確認した。スコアWDGの効果は感染30日後でも有効であった。ブローダWPはスコアWDGとほぼ同等の効果であった。子のう胞子の飛散は梅雨入りが遅れた場合、飛散期間が長引くことが予測された。円星落葉病の効率的防除は梅雨期間中の殺菌剤散布の削減を可能とするが、枝幹性病害への影響が懸念される。かきのフジコナカイガラムシに対する殺虫剤の防除効果試験を実施した。殺虫剤の発芽前樹幹塗布はフジコナカイガラムシに対して効果が認められた。性誘引源(0.1mg含浸)によるナシマダラメイガ雄成虫の捕獲消長と、終齢幼虫・蛹採集後の飼育羽化法による雄成虫の羽化消長を比較したところ、第1世代の羽化期間はトラップの捕獲期間より短く、50%羽化日は50%捕獲日より5日早かった。
、(2)ナシ果実を加害するシンクイムシ類の発生生態の解明と防除対策の確立
、目的:新たな合成性フェロモン剤のナシヒメシンクイに対する防除効果を明らかにする。
、成果:8月に場内ナシ園においてシンクイムシ類被害果を採集し、加害種を調査したところ、ナシヒメシンクイ、モモノゴマダラノメイガ、ナシマダラメイガおよびフタモンマダラメイガの発生が認められた。

、2.有用昆虫の保護、増殖技術に関する試験
、目的:南信地域の果樹園おける土着天敵相を明らかにする。土着天敵の密度抑制能力の解明と保護温存効果を検討する。
、成果:下伊那郡天竜川の東側の果樹地域における天敵カブリダニ類の発生種調査を行った。ハダニ類が少発生のため、随伴して発生するカブリダニ類も極少発生となった。標本数が不十分であったものの、ミヤコカブリダニ等が確認された。下伊那郡の現地カキ園からカイガラムシ類を採集し、天敵の発生状況について調査したが、テントウムシ類が確認されたものの、寄生蜂類は認められなかった。8月に場内ナシ園においてシンクイムシ類被害果を採集し、天敵の発生状況について調査したが、天敵の発生は認められなかった。

、3.ナシ等樹園地を主体とした農地の環境保全型土壌及び施肥管理技術の確立
、目的:ナシ「南水」にホウ素を局所施用し、変形果に対する影響を検討する。日本ナシ「幸水」に対する有機質肥料の土中施肥効果を化学肥料の慣行施肥法と比較検討する。ナシ「南水」の土壌水分管理技術を確立するための一環として、簡易なかん水法が樹体生育、果実肥大および果実品質に及ぼす影響を検討する。
、成果:5月に現物で20gのく溶性ホウ素肥料を不織布お茶パックに包み1樹当たり8箇所、主幹から2m離れた位置に深さ10cmに埋設施用して(1樹当り24gB2O3)、変形果の発生状況を調査した。ゆず肌類果似症の発生率が無施用樹に比べ少なかった。乾燥した9月中旬に灯油タンクの水を水源とした簡易かん水装置を用いて、「南水」成に対して土中への点滴かん水を1週間行った結果、根域への効率的な水供給に有効と思われたが、果実肥大や糖度への影響は不明であった。

、4.カキ園に対する効率的施肥法の確立
、(1)カキ園に対する窒素施肥法の改善
、目的:高品質・安定生産と環境保全型施肥管理技術を確立するため、「市田柿」に対し、窒素施肥の時期や配分が生育・収量・品質及び養分吸収に及ぼす影響を検討する。低樹高を基本に「市田柿」原料カキの適正窒素施肥量を把握するために、現行の県施肥水準例を対照として、異なる窒素施用水準を設け、樹体生育や収量性へ及ぼす影響を検討する。
、成果:「市田柿」成木樹において、年間施肥窒素量を25kg/10aとし、10kg/10aを6月あるいは8月に追肥した。原料カキ果実の収量および品質に差はなかった。また、収穫始期に採取した果実の果皮色分布にも差がなかった。
、(2)カキ園に対する窒素の動態調査
、目的:環境負荷軽減を考慮した施肥管理技術を組み立てる上で、ほ場における窒素収支(投入量−搬出量)を把握することが重要と考えられる。そこで、「市田柿」成木園における窒素収支を調査する。土壌改良と局所施肥法を用いた効率的施肥法が樹体生育、果実収量・品質および環境へ及ぼす影響を検討する。
、成果:平成13年度より場内ほ場「市田柿」4樹の果実、せん定枝および落葉の窒素量を測定し、窒素収支を算出している。平成23年度は果実による窒素持ち出し量は7.8kg/10a、せん定枝による持ち出し量は2.8kg/10aであった。(施肥による窒素投入量)―(果実およびせん定枝による窒素持ち出し量)=14.4kg/10aであった。現地ほ場において、圧縮空気噴射による土壌改良と局所施肥による現地慣行量の30%および50%減肥を組み合わせると、土壌下層へ溶脱する窒素量が減り、3年間は生育、収量、果実品質に差は認められなかった。その後さらに3年間処理を継続して樹体への影響を調査したところ、6年目の本年は、50%減肥区において、着果数が慣行区に比べ少なくなり減収したが、収穫した原料果実を5℃の冷蔵庫に約1ヶ月保存した後の軟化果実割合は慣行区よりも少なかった。また、果皮色、糖度および条紋の発生程度に3年間差はなかった。30%減肥区は6年間を通じて収量、果実品質に差がなかった。これらの結果から、本施肥法により効率的な施肥が可能と判断された。
研究分担栽培部
予算区分都道府県単
業績(1)カキ円星落葉病に対するジフェノコナゾール顆粒水溶剤の効果特性および数種薬剤の効果
(2)Rosellinia necatrixによるマルメロ白紋羽病(新称)の発生
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030180539
収録データベース研究課題データベース

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