飼料用米等国産飼料を活用した発酵TMRの安定調製給与技術と広域流通システムの確立

飼料用米等国産飼料を活用した発酵TMRの安定調製給与技術と広域流通システムの確立

課題番号2012020352
研究機関名農業・食品産業技術総合研究機構
研究期間2011-2015
年度2012
研究問題(2) 自給飼料基盤の拡大・強化による飼料生産性向上と効率的利用技術の開発
大課題土地資源を高度に活用した飼料生産・供給と通年安定調製給与技術の開発
中課題飼料用米等国産飼料を活用した発酵TMRの安定調製給与技術と広域流通システムの確立
大項目食料安定供給のための研究開発
中項目(2) 自給飼料基盤の拡大・強化による飼料生産性向上と効率的利用技術の開発
摘要TMRセンター向けの発酵TMR調製技術に関しては、a)九州地域で発生する粕類等の成分分析を行い、全て発酵TMR原料として利用可能であること、マメペースト粕は栄養価及び保存性の面から有望な飼料資源であることを明らかにした。b)乾乳牛用発酵TMR原料として、刈遅れ乾草は通常刈り乾草と比較して発酵品質や自由採食量に差がないことを明らかにし、その混合メニューを示した。c)飼料用米サイレージよりD型乳酸を産生する新種のヘテロ発酵型乳酸菌を発見し、既知のWeissella属菌種と比べて低温域や低pH条件でも増殖し、増殖速度が速いことを明らかにした。また、北海道産チモシーサイレージより、低温域で増殖可能なD及びL型乳酸を両産生するヘテロ発酵型乳酸菌を発見し、六炭糖よりも五炭糖の利用能力が高いことを明らかにした。d)飼料用米サイレージの調製貯蔵中に嫌気条件を保持することにより、フモニシン産生かびが存在した場合においても、フモニシン濃度は増加しないことを示した。e)ハイガスバリア性樹脂(エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂)を用いて試作したラップフィルムで被覆したイネWCSは、市販フィルムで被覆したものと比較して、飼料成分や発酵品質に差がなく、貯蔵中の臭気発生量が少ないことを示した。
安全性を確保した広域国産飼料流通技術に関しては、a)平成23年度に試作したイネWCSの生産履歴管理システムに、「稲発酵粗飼料の流通基準」に対応した栽培管理データを付加し、タブレット型PC、バーコードリーダー、移動基地局で構成される現場作業対応型生産履歴管理システムを構築し、現地実証を行い操作性の簡便さや作業効率の良さを確認した。b)サイレージやTMRの水分測定用簡易水分計について、測定誤差を軽減できるセンサ挿入用穴空け器具及びセンサ本体の改良を行った。c)TMRセンター内でのロールベール荷役作業に適用できる安価な荷役具を開発するとともに、ロール2梱包を同時に吊り上げつつ走行中の横揺れを軽減するフォークリフト用アタッチメントを開発した。d)TMR素材の迅速評価のため、ソルガム穀実の粗タンパク質、粗脂肪、ADFom、タンニン含量及びDPPHラジカル消去活性の推定が可能な近赤外分析用検量線を開発した。
飼料用米に関しては、a)完熟期収穫の飼料用米に、破砕処理、乳酸菌添加、水分含量の調整(27.5%以上)の3処理を組み合わせることで、長期間安定貯蔵できる良質サイレージ調製が可能となることを明らかにした。b)破砕した完熟期籾米にヘテロ型乳酸菌Lactobacillus buchneriを添加し、フレコンバッグ内袋で密封貯蔵することで、サイレージ中の酢酸及びプロピオン酸が増加し、貯蔵中のかび発生や開封後の好気的変敗が抑制されることを明らかにした。c)でん粉源である圧ぺんトウモロコシの全量を圧ぺん玄米に置き換え、タンパク質源をトウフ粕やしょう油粕とした発酵TMRを泌乳前期牛に給与した場合、乳生産性を落とさず、尿への窒素排泄割合を低減できることを明らかにした。d)でん粉源として、粗挽きあるいは粉砕した玄米をそれぞれ20%ずつ混合した発酵TMRを泌乳中期牛に給与した結果、粉砕した玄米を混合することで飼料の消化率が向上し、乳量も増加することを明らかにした。e)飼料用米破砕機で玄米を破砕し、肥育牛向け発酵TMR原料(乾物当たり40%混合)として用いる場合、破砕機のローラー間隔を1.0mmから0.3mmに狭くすることで、発酵TMR全体の非繊維性炭水化物(NFC)消化率を92%まで向上できた。f)濃厚飼料の乾物当たり15%を精米DDGSで置換した飼料を給与した黒毛和種去勢肥育牛では、濃厚飼料摂取量が慣行飼料区より低く、増体成績はやや低下するが、血中ビタミンA及びE含量に差がないことを明らかにした。g)粗飼料源として肥育前・後期にイネWCSを、肥育中期にオオムギWCSを給与した黒毛和種去勢肥育牛は、粗飼料源として全期間乾草を用いた場合と比較して、枝肉重量や脂肪交雑基準(BMSナンバー)に差が認められず、酸化ストレスを示す血中イソプラスタン濃度が低いことを示した。また、胸最長筋中のα-トコフェロール含量が高く、メトミオグロビン割合が低かったことから肉色の劣化が抑制されることを明らかにした。
研究分担野中和久
協力分担関係有限会社錦江ファーム
三井造船株式会社
JA全農
新潟県農業総合研究所・畜産研究センター
ヤンマー株式会社
予算区分技会交付金研究 委託プロ[国産飼料プロ] 委託プロ[気候変動対策プロ] 技会・その他 文科省[科研費] その他
業績(1)Fermentative quality of purple rice (Oryza sativa L.) silage and its effects on digestibility, ruminal fermentation and oxidative status markers in sheep: A preliminary study
(2)飼料用米破砕機の開発 −玄米及び籾の破砕性能−
(3)水田から生産される飼料作物の広域流通の実態と展望
(4)完熟期収穫の飼料用米サイレージ調製法
(5)Effect of replacing corn with brown rice grain in a total mixed ration silage on milk production, ruminal fermentation and nitrogen balance in lactating dairy cows
(6)Chronic heat stress up-regulates leptin and adiponectin secretion and expression and improves leptin, adiponectin and insulin sensitivity in mice
(7)完熟期収穫の飼料用米の調製処理がサイレージ発酵特性におよぼす影響
(8)焼酎粕濃縮液の混合割合および貯蔵季節,貯蔵期間が発酵TMR の発酵品質に及ぼす影響
(9)Changes of fumonisin production in rice grain during ensiling.
(10)近赤外分光分析によるソルガムサイレージ発酵品質の迅速評価法の検討
(11)Strain-dependent effects of inoculation of Lactobacillus plantarum subsp. plantarum on fermentation quality of paddy rice (Oryza sativa L. subsp. japonica) silage
(12)Effects of the roughage/concentrate ratio on the expression of angiogenic growth factors in adipose tissue of fattening Wagyu steers
(13)Lactobacillus hokkaidonensis sp. nov., isolated from timothy grass (Phleum pratense L.) silage in Hokkaido, Japan
(14)肉牛における脂肪組織成長の制御機構-転写因子と血管新生因子の関与-

(15)飼料用米の加工形態の違いが家畜の嗜好性等に及ぼす影響
(16)Weissella oryzae sp. nov., isolated from fermented rice grains
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030203339
収録データベース研究課題データベース

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