代謝調節作用に関する健康機能性解明と有効利用技術の開発

代謝調節作用に関する健康機能性解明と有効利用技術の開発

課題番号2012020426
研究機関名農業・食品産業技術総合研究機構
研究期間2011-2015
年度2012
研究問題(1)農産物・食品の機能性解明及び機能性に関する信頼性の高い情報の整備・活用のための研究開発
大課題代謝調節作用に関する健康機能性解明と有効利用技術の開発
中課題代謝調節作用に関する健康機能性解明と有効利用技術の開発
大項目新需要創出のための研究開発
中項目(1)農産物・食品の機能性解明及び機能性に関する信頼性の高い情報の整備・活用のための研究開発
摘要代謝調節機能性の評価技術の開発に関しては、a)ラットを用いて凍り豆腐を摂取させることにより血清脂質濃度は低下すること、また、その作用は凍り豆腐中のタンパク質成分が肝臓での脂質合成を抑制するために生じることを明らかにした。一方、イソフラボン成分は脂質代謝にほとんど影響しないことを明らかにした。b)卵巣摘出更年期モデルマウスを用いてイソフラボン及びダイズタンパクの摂取が唾液及び摂水量に及ぼす影響を評価した。またその際、ドライマウスの症状が唾液分泌量だけでなく摂水等の摂食行動に反映されることを明らかにした。c)平成23年に開発した培養筋細胞を用いる脂肪酸酸化アッセイに150種類の低分子化合物を供試して、デルフィニジン及びロスマリン酸等に脂肪酸代謝促進活性を見出した。d)長寿遺伝子として知られるSIRT3タンパク質の安定性を指標にして、カロリー制限時の代謝改善作用を模倣する食品成分を探索するための、ヒト培養細胞実験系を構築した。e)マウスに0.05又は0.1%ケルセチンを20週間摂取させた後、血糖値、血中脂質濃度、組織酸化ストレスマーカー等の測定及び肝臓の遺伝子発現解析を行い、ケルセチンは正常マウスのこれらの指標に悪影響を及ぼさず、脂肪等の組織で弱い酸化ストレス抑制効果を示すことを明らかにした。f)ミカンの栄養疫学調査において、調査開始時の血中β-クリプトキサンチン値が高い閉経女性では4年間での骨粗しょう症の発症率が顕著に低いことを明らかにした。g)リンゴの栄養疫学調査では、男性においてリンゴ摂取とC-ペプチド、レプチンが負の相関を示し、アディポネクチンが正の相関を示すことを明らかにし、これらがヒト介入試験等において動脈硬化に繋がる生活習慣病のマーカーとなり得る可能性を示した。h)核内受容体PPARαに対するリガンド活性を持つかんきつ成分のヘスペレチン及びイソサクラネチンが、AMP依存性キナーゼのリン酸化レベルを上昇させることを明らかにした。
関与成分の科学的実証と農作物の生産方法及び食品開発に関しては、a)紫バレイショ系統の抗酸化性をH-ORAC法で評価し、ORAC値がアントシアニン含量と高い相関を示すことを明らかにした。また、黄バレイショにおいて、収穫直後に高かったゼアキサンチン濃度は貯蔵中に減少し、他のカロテノイド成分が増加すること、さらにこの挙動は貯蔵温度により異なることを明らかにした。b)黒ダイズ種皮抽出物が、HepG2ヒト肝細胞において、酸化ストレスを誘導する過酸化水素添加後に上昇するExtracellular Signal-regulated Kinase(ERK)活性を低下させることを見出した。c)サツマイモ茎葉に含まれる各カフェオイルキナ酸類は、3T3-L1前駆脂肪細胞株を分化させることにより蓄積する脂肪滴の約20%を抑制することを明らかにした。d)拘束ストレス負荷マウス及び2型糖尿病モデルマウスを用いてトマトカロテノイド抽出物が動脈硬化指数の改善等の脂質代謝改善作用を有することを明らかにした。ハトムギ種子由来のタンパク濃縮物が、2型糖尿病モデルマウスにおいて強いコレステロールの排泄作用及び血漿コレステロール低下等を示し、脂質代謝を改善することを明らかにした。e)完全人工光型植物工場で栽培したグリーンリーフレタスの総ポリフェノール量とDPPHラジカル消去活性はほぼ一定に維持されていることを明らかにした。f)果菜類のオスモチン含量を抗体を用いて正確に測定するため、トマト、ナス、ピーマンに共通のオスモチン配列2か所を選び、それらに対する抗オスモチンモノクローナル抗体(ラット1種、マウス1種)を作製した。g)タマネギ搾汁濃縮液の加熱中にフラボノイドが顕著に減少し、抗酸化活性が向上することを明らかにした。また農産物の粉砕処理では抗酸化活性が著しく低下するものとほとんど変化しないものに分けられることを確認した。このほか、a)小麦胚芽中のグルタミン酸脱炭酸酵素を用いたGABA製造において、補酵素ピリドキサールリン酸溶液をpH調節等により安定化させて、低コストに従来法の2倍以上の高濃度GABA含有液を製造する技術を開発した。
研究分担小堀真珠子
奥野成倫
協力分担関係日本製粉株式会社・中央研究所
久留米大学・先端癌治療研究センター
朝倉医師会病院
高知大学
東京大学
宮城県農業園芸総合研究所
山形県農業総合研究センター
弘前大学医学部
浜松医科大学
井村屋シーズニング株式会社
予算区分技会交付金研究 新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業 委託プロ[医食同源プロ] 食料生産地域再生のための先端技術展開事業 技会・その他 文科省[科研費] その他
業績(1)オニオンエキスの製造工程におけるフラボノイドとラジカル消去活性の変動
(2)DNAマイクロアレイ解析を活用した大豆の機能性評価
(3)β-クリプトキサンチンの血中濃度が高い閉経女性は骨粗しょう症になりにくい
(4)補酵素安定化・高濃度合成法を導入した低コストGABA含有液の製造と食品利用
(5)Diversity in characteristics of starch amongst rice bean (Vigna umbellate) germplasm: amylopectin structure, granules size distribution, thermal and rheology
(6)米麹を添加した芋焼酎粕飲料の生理作用
(7)Effects of rice bran oil on the intestinal microbiota and metabolism of isoflavones in adult mice
(8)Late-onset increases in oxidative stress and other tumorigenic activities and tumors with a Ha-ras mutation in the liver of adult male C3H mice gestationally exposed to arsenic
(9)Storage stability of wheat bran proteases for producing angiotensin I-converting enzyme inhibitory peptides.
(10)Anti-diabetic Effects of Adlay Protein in Type 2 Diabetic db/db Mice.
(11)Effects of annual fluctuation of environmental factors on starch properties in potato tuber development
(12)Japanese Butterbur (Petasites japonicus) Leaves Increase Hepatic Oxidative Stress in Male Rats
(13)Phloridzin reduces blood glucose levels and alters hepatic gene expression in normal BALB/c mice
(14)New chromanone and acylphloroglucinol glycosides from the bracts of hops
(15)米麹を添加した芋焼酎粕飲料の生理作用(第2報)生体防御能亢進効果について
(16)High glucose increases the expression of proinflammatory cytokines and secretion of TNFα and β-hexosaminidase in human mast cells
(17)Effect of dietary L-arabinose on the intestinal microbiota and metabolism of dietary daidzein in adult mice
(18)Apple pectin affects the efficacy of epigallocatechin gallate on oral sucrose tolerance test in adult mice
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030203413
収録データベース研究課題データベース

研究課題アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat