(エ)持続的な養殖業の発展のための効率的生産技術の開発

(エ)持続的な養殖業の発展のための効率的生産技術の開発

課題番号2013023181
研究機関名水産総合研究センター
研究期間2011-2015
年度2013
研究問題(2)研究開発等の重点的推進
大課題ウ. 持続的な養殖業の発展に向けた生産性向上技術と環境対策技術の開発
中課題(エ)持続的な養殖業の発展のための効率的生産技術の開発
大項目第2 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置
中項目1 研究開発等
摘要 低魚粉飼料を与えて飼育した親魚から得たアマゴF1は、通常の魚粉飼料を与えた親魚から得た対照群と遜色のない成長を示したが、対照群と比べて満1歳で早熟する個体が多く、雄の比率が高く、早熟後に雄のへい死が多かった。しかし、満2歳で成熟した個体から得られた受精卵のふ化率は75〜83%、正常稚魚率は82〜85%であり、卵質に大きな問題はなかった。
無魚粉飼料に核酸製剤を添加することにより、 マダイ稚魚の肝膵臓の生理機能を改善する効果が認められたが、 タウリンと併用添加し た場合には相対的にタウリンの影響が大きく、タウリン単独添加よりもさらに飼育成績を改善する効果はなかった。 一方、 マダイ稚魚の摂餌性を改善する目的で摂餌促進物質を無魚粉飼料に添加したが、 その効果は短期的であった。植物性飼料では魚粉配合飼料よりも消化 酵素の分泌量が減少し、かつ、腸管での消化時間が増加したことから、消化性を改善する必要性が示された。
スジアラの生物特性に合った生産システムの評価を行い、低水温期に周年25℃前後で安定した地下浸透海水を飼育水として利用すること により、2年以内に商品サイズ(500g)に到達することを明らかにした。また、高蛋白のヒラメ用配合飼料や高脂質のブリ用配合飼料に比 べ、蛋白質含量の低いマダイ用配合飼料を与えて飼育した方がスジアラの成長が良く、低コストで高成長が得られることが示された。
キジハタについて、 閉鎖循環式陸上養殖における溶存酸素及び飼育密度に関する試験を行った。その結果、 溶存酸素量が5mg/L未満になると成長が鈍化し、飼育密度が50〜65kg/kLで高い成長率が得られた。ヤイトハタでは、 150kg/kLの高密度養殖の可能性が示された。これらの結果から、はた類の陸上養殖では、他魚種に比べて単位水量あたりの生産性が高いことが示唆された。
魚類養殖場における環境管理の事例として、給餌量を減らすことにより底質中の酸揮発性硫化物量が減少することを把握した。また、魚 類養殖場周辺でアサリの垂下養殖を行うことによる環境改善効果を評価した結果、アサリ1kgで1日あたり4〜200mgの窒素が吸収されると試算された。
消費実態を把握するため、養殖生産されたブリ類、タイ類及びヒラメについて家庭消費における代替関係を分析し、ブリ類とタイ類の間 に弱い代替関係を見いだした(相関係数−0.557)。また、養殖ブリの価格は養殖ブリ類生産量と天然ブリ類価格で、養殖マダイの価格は 養殖マダイ生産量、 天然マダイ価格、韓国活タイ輸入価格及び1人あたり実質化処分所得で、養殖ヒラメの価格は養殖ヒラメ生産量、天然ヒラメ価格、韓国活ヒラメ輸入価格及び1人あたり実質化処分所得で、養殖トラフグの価格は養殖トラフグ生産量、天然トラフグ価格及び1人あたり実質化処分所得で説明できることを明らかにした。決定係数はそれぞれ0.839、0.964、0.942、0.885であった。
養殖飼餌料の価格に影響を与える要因を分析し、日本の輸入魚粉価格はペルーの魚粉輸出量が1%増加すると1.7%低下し、中国の魚粉輸 入量が1%増加すると0.49%上昇することを明らかにした。また、日本の魚粉輸入量は日本の魚類養殖生産量が1%増加すると2.4%増加し 、ペルーの魚粉輸出量が1%増加すると0.66%増加すると推察された。
経済性評価に必要な養殖経営等のデータ収集・整理を行った。トラフグの養殖技術の導入過程については、海面養殖は1970年代から、陸 上養殖は1998年頃から沿岸海水を用いたものが、2004年から地下海水を用いたものが、2000年代には閉鎖循環式陸上施設によるものが導入された。海面養殖、 閉鎖循環式陸上養殖ともに餌代がコストの最も多くを占めるが、 閉鎖循環式陸上養殖では電気代、減価償却費等が余分にかかっており、 1kgあたりの生産コストは海面養殖が1,396円であるのに対して閉鎖循環式陸上養殖では1,816円であった。
研究分担淡路雅彦
徳田雅治
田丸修
高木儀昌
玉置泰司
團重樹
手塚信弘
岡内正典
伊藤進一
関谷幸生
予算区分農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業 水産庁・その他 農水省・その他
業績(1)動物プランクトンの生産用餌料としての活用
(2)複合養殖経営が抱える生産と費用の問題に対する研究
(3)波長の異なるLED光源下におけるキジハタ若魚の成長
(4)潜砂基質と流速がアサリ稚貝の成長に及ぼす影響
(5)形態異常軽減技術
(6)無魚粉エクストルーディッドペレット飼料の給餌による ブリ品質向上の試み
(7)選抜育種による低魚粉飼料の利用性の高いアマゴの家系出-Ⅳ F2稚魚の利用性
(8)隔月連載 閉鎖循環飼育の未来と可能性Ⅱ,第1回 閉鎖循環飼育による省エネ効果
(9)平成24年度国内タイマイふ化率向上研究事業報告書
(10)隔月連載 閉鎖循環飼育の未来と可能性Ⅱ]第2回 閉鎖循環飼育の高生産性
(11)PHILIPPINE TAIYO AQUA FARMING CORPORATION (PTAFCO) 陸上施設および海上施設 調査報告書
(12)Effects of Artificial Lighting Intensity and Wavelength on the Growth and Survival of Juvenile Flatfish
(13)Postprandial response and tissue distribution of the bile acid synthesis-related genes, cyp7a1, cyp8b1 and shp, in rainbow trout Oncorhynchus mykiss
(14)海産魚貝類の種苗生産過程における微細藻類の役割
(15)有用微細藻類株の選択とその利用、将来展望
(16)微細藻類(特にナンノクロロプシス)の海産魚類飼育水への添加効果
(17)閉鎖循環式によるS型ワムシの培養 Ⅲ 〜水温条件の検討〜
(18)ハプト藻類Pavlova sp.の栄養価の変化と細胞内微細構造の関係
(19)Effects of sea cucumber on water and sediment quality in shrimp culture tank(ナマコのエビ養殖環境への影響)
(20)トラフグの卵の孵化と孵化仔魚の生残に及ぼす組成の異なる人工海水の影響
(21)三陸秋サケ産業の震災からの挑戦〜早期復旧のモチベーションと課題
(22)Economic Characteristics of Fish Stocks in the Subarctic Ocean
(23)平成25年度生産資材安全確保調査・試験委託事業「水産物における飼料添加物の残留実態調査」報告書
(24)新規養殖種の開発
(25)平成25年度農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業 中間評価用報告書「地域特産化をめざした二枚貝垂下養殖システムの開発」
(26)ガザミの個別飼育
(27)飼餌料開発研究に取り組む
(28)よくわかる種苗生産と育種 循環式連続培養システムを用いたワムシの培養
(29)養殖キジハタの色揚げ・味上げ方法の探索〜もっと美味しくする試み〜
(30)Effects of biotechnologically processed soybean meals in a nonfishmeal diet on growth performance, bile acid status, and morphological condition of the distal intestine and liver of rainbow trout Oncorhynchus mykiss
(31)Trophic status of 24 aquatic species in Hiroshima Bay inferred from stable isotope ratio
(32)無魚粉エクストルーディドペレット飼料で飼育されたブリ筋肉の品質評価
(33)アサリ垂下養殖の取り組み
(34)DNA haplotype-based identification of blood cockle, Anadara granosa
(35)Development of a new type of fish diet, non-fish meal extruded-pellet
(36)Water temperature forecasts to decrease megadeath of aquacultured scallops in Mutsu Bay, Japan
(37)東京湾における垂下二枚貝養殖の可能性
(38)大豆油粕主体無魚粉飼料への摂餌促進物質の添加がマダイ稚魚の摂餌量に及ぼす影響
(39)ニジマスをモデルとした魚類における大豆油粕給与による胆汁異常発生メカニズムの解明
(40)陸上閉鎖循環式養殖は我々に何をもたらしてくれるのか?〜最新のシステム開発と欧州の陸上養殖の現状〜
(41)国内の種苗生産機関で利用されている主要なシオミズツボワムシ6株の増殖特性
(42)研究の幅と研究者の幅
(43)輸入魚粉の価格変化は水産物価格に影響を与えるか?
(44)小課題(統合課題)養殖経営の改善方策の検討
(45)「種苗生産と育種研究のビジネスチャンス」、種苗生産に有効となる閉鎖循環式施設
(46)光照射と植物性初期餌料生物の省エネルギー培養
(47)スジアラ種苗生産で見られた成長差の発現時期と遺伝的影響
(48)Effect of temperature on survival, growth and malformation of cultured larvae and juveniles of the seven-band grouper Epinephelus septemfasciatus
(49)外套膜外面上皮細胞の移植による真珠形成
(50)DHAを含有する海産繊毛虫培養株の獲得成功率
(51)二枚貝浮遊幼生の生残率維持効果を示す海産繊毛虫の特定
(52)汽水産ワムシProales similisの大量培養試験
(53)東日本大震災後の三陸ギンザケ養殖復興への挑戦
(54)低温飼育で空ウニを良いウニに変える
(55)ハタ科魚類の繁殖生理生態と種苗生産 Ⅱ ハタ科魚類の種苗生産・養殖技術 8. スジアラの種苗生産・養殖技術
(56)PIVを用いた種苗生産水槽模型における流場の可視化とCFDによる流場の再現計算
(57)餌料用微細藻類の高増殖株作出と培養法の開発及びその有効利用に関する研究
(58)閉鎖循環式による陸上養殖飼育技術の紹介
(59)二枚貝の代謝と成長
(60)南西諸島海域におけるスジアラ養殖技術に関する基礎研究
(61)輸入魚粉の価格変化が産地市場の水産物価格に及ぼす影響について
(62)Incorporation of 13C from glucose into DHA occurred in culture of marine ciliates Uronema sp. NIZ-I (Ciliophora, Scuticociliatida)
(63)密度と流速がアサリ稚貝の成長に及ぼす影響
(64)Effect of feed ingredients on digestive enzymes secretion in fish
(65)マダイ稚魚に対するオイゲノール製剤の麻酔効果
(66)ガザミの種苗生産におけるメガロパ期の死亡原因とその対策
(67)水産資源管理の合意形成を妨げる原因の分析
(68)繊毛虫由来13C−標識DHAのアサリ着底稚貝への取り込みの検証
(69)隔月連載 閉鎖循環飼育の未来と可能性Ⅱ]第4回 閉鎖循環飼育による環境保全効果
(70)閉鎖循環式養殖システムの開発と技術移転
(71)スジアラ養殖技術の開発
(72)The Challenge of Reconstructing Coho Salmon Aquaculture After the Great East Japan Earthquake and Tsunami in 2011
(73)An Analysis of the Causality between the Market Price of Imported Fishmeal and Market Price of Marine Farmed Fish
(74)循環式によるS型ワムシ連続培養 〜システムの簡素化〜
(75)Ⅱハタ科魚類の種苗生産・養殖技術1.人為催熟・採卵技術
(76)循環式によるS型ワムシ連続培養 〜適正ろ材の探索〜
(77)隔月連載 閉鎖循環飼育の未来と可能性Ⅱ]第5回 閉鎖循環飼育による環境保全効果
(78)ホタテガイ養殖業の協業化導入にかかる諸条件に関する考察「−陸奥湾脇野沢地区の耳吊り養殖における検証−」
(79)イセエビPanulirus japonicus の受精卵およびふ化幼生のDHA含量に及ぼす水温の影響
(80)循環式培養システムを用いたシオミズツボワムシの連続培養
(81)安定同位体を用いた養殖アサリの餌料源の推定
(82)持続的養殖プロ研マグロ−6:生物餌料および配合飼料の摂餌に伴うクロマグロのアンモニア排泄量
(83)アコヤガイ外套膜外面上皮細胞が作る濾胞状構造の形態とその形成に培養液が及ぼす影響
(84)TILLING法による養殖魚の品種改良
(85)2010 年および2012 年夏季の陸奥湾における異常高水温
(86)Ⅲ-2 アサリ垂下養殖の取り組み
(87)隔月連載 閉鎖循環飼育の未来と可能性Ⅱ]第3回 閉鎖循環飼育による外部リスク回避効果
(88)ガザミ種苗生産で発生する大量死の原因とその対策
(89)循環飼育によるキジハタ養殖の可能性
(90)Variations in larval morphology and their relationships to survival during mass seed production of swimming crab Portunus trituberculatus (Brachyura, Portunidae)
(91)ハタ類の形態異常の現状
(92)養殖用飼料の改善
(93)閉鎖循環式養殖システムの開発とその実証技術
(94)繊毛虫Uronema sp. NIZ-Iの培養ペプトン濃度がEPAおよびDHAの生産特性に及ぼす影響
(95)科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)(挑戦的萌芽研究)24年度実施状況報告書
(96)平成25年度農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業 実用技術開発ステージ 実績報告書「地域特産化をめざした二枚貝垂下養殖システムの開発(課題番号24019)」
(97)Leptin receptor-deficient (knockout) medaka, Oryzias latipes, show chronical up-regulated levels of orexigenic neuropeptides, elevated food intake and stage specific effects on growth and fat allocation
(98)Estimation of abouveground biomass in mangrove forests using high-resolution satellite data
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030203501
収録データベース研究課題データベース

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