飼料用米等国産飼料を活用した発酵TMRの安定調製給与技術と広域流通システムの確立

飼料用米等国産飼料を活用した発酵TMRの安定調製給与技術と広域流通システムの確立

課題番号2013023023
研究機関名農業・食品産業技術総合研究機構
研究期間2011-2015
年度2013
研究問題(2) 自給飼料基盤の拡大・強化による飼料生産性向上と効率的利用技術の開発
大課題土地資源を高度に活用した飼料生産・供給と通年安定調製給与技術の開発
中課題飼料用米等国産飼料を活用した発酵TMRの安定調製給与技術と広域流通システムの確立
大項目食料安定供給のための研究開発
中項目(2) 自給飼料基盤の拡大・強化による飼料生産性向上と効率的利用技術の開発
摘要TMRセンター向けの発酵TMR調製技術に関しては、a) みかんジュース粕を原料としたエタノール製造残渣の成分は糖蜜と類似しており、高い貯蔵性が見込まれることから、家畜飼料としての利用価値が高いと判断した。b) 開花期以降収穫の遅刈り牧草サイレージ、イアコーン サイレージ、及び国産ナタネ粕を材料とする自給率100%の乾乳牛向け発酵TMRメニューを開発し、周産期〜泌乳初期の乳牛の採食性や飼養成績に負の影響を及ぼさないことを確認した。c) 飼料用米サイレージから4〜45℃で生育可能な新種のヘテロ発酵型乳酸菌Lactobacillus oryzaeを、また、オーチャードグラスサイレージより4〜37℃で生育可能な新種のホモ発酵型乳酸菌Lactobacillus iwatensisを発見し、日本の細胞バンクJCM及びドイツの細胞バンクDSMZに寄託した。さらに、自給飼料利用型発酵TMR貯蔵過程における微生物定量変化及び菌叢変化を明らかにした。d) ハイガスバリア性エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)を用い製造されたロールベール被覆用試作高気 密フィルムの性能(延伸性、破断強度、粘着性)は、現在我が国で市販されているフィルムと同等で、ロールベール被覆に十分利用可能であることを示した。e) 飼料中のかび毒(フモニシン、デオキシニバレノール、ゼアラレノン)は、サイレージ調製貯蔵中に増加しないこ とを示した。
安全性を確保した広域国産飼料流通技術に関しては、a) 流通用サイレージの生産履歴管理情報(圃場、栽培管理、収穫調製、出荷検品等 )や視覚情報(圃場写真等)をAndroid端末で収集してサーバへアップロードするとともに、製品情報ラベルを圃場で印刷してサイレージ に添付できる流通管理システムを開発した。b) 自走式ベールラッパにて、収穫作業時に圃場でロールベール重量を±15kgの精度で推定で きる装置を開発した。c) サイレージやTMRの水分測定用簡易水分計について、測定誤差要因の解析と機械の改良を進め、測定誤差を目標の3%以下にすることができた。d) アンモニアイオンメータによりサイレージ中揮発性塩基態窒素(VBN)を従来法と同様の精度で簡易に推 定する手法を開発した。e) 平成24年度に開発したロールベールを2個ずつ搬送できるフォークリフト用アタッチメントに改造を加えるとともに、実際のTMRセンター内でハンドリング作業の軽労化効果と横揺れ軽減効果を実証した。f) TMR素材として、オオムギWCSの乾物、粗タンパク質、酸性デタージェント繊維(ADFom)、有機酸、揮発性塩基態窒素(VBN)含量及びpHを新鮮物のまま非破壊で推定可能な近赤外分析用検量線を開発した。また、ソルガム穀実のDPPHラジカル消去活性とタンニン含量を推定する近赤外分析用検量線を開発した。
飼料用米に関しては、a) 泌乳最盛期の乳牛に対して、蒸気圧ぺん処理をしたトウモロコシの代替として玄米を給与する際、TMR中の穀実混合割合を乾物当たり3割とすれば乾物摂取量や乳生産量の低下は生じず、泌乳牛に玄米を完全代替給与できるとともに、尿中への窒素排泄 も低減可能とした。また、分娩予定3週前から分娩後6週までの周産期乳牛にトウモロコシの代替として玄米を給与する場合、TMRへの玄米 混合量(乾物)を分娩前2割、分娩後3割とすれば生産性に及ぼす影響は小さいことを示した。b) 泌乳中期牛に主たるデンプン源として籾 米サイレージを乾物当たり25%含む発酵TMRを給与した場合、トウモロコシ+オオムギをデンプン源とした発酵TMRを給与した場合と比較して、乾物摂取量や乳量に差は認められないことを確認した。c) 黒毛和種肥育中後期牛に対し、破砕玄米を40%以上混合した国産飼料100%の発酵TMRを給与した場合、慣行区と比較して肥育成績が劣ることを認めた。d) 濃厚飼料の12%をバイオエタノール蒸留粕(米DDGS)で置換して給与した黒毛和種肥育牛は、慣行区と比較して肉の色調がやや濃いほかは枝肉形質に差は認められず、脂肪組織の不飽和脂肪酸割合が多くなることを見出した。
研究分担野中和久
協力分担関係有限会社錦江ファーム
理化学研究所
JA全農
新潟県農業総合研究所・畜産研究センター
ヤンマー株式会社
清水港飼料
山形大学農学部
岩手県農業研究センター畜産研究所
予算区分技会交付金研究 委託プロ[革新的低コストプロ] 委託プロ[気候変動プロ] 委託・その他プロ 文科省[科研費] その他
業績(1)ウシにおける麦焼酎粕の栄養価
(2)泌乳牛に対する輸入トウモロコシから飼料用玄米への代替給与法
(3)Description of Lactobacillus iwatensis sp. nov., isolated from orchardgrass (Dactylis glomerata L.) silage, and Lactobacillus backii sp. nov.
(4)Farm-scale method for producing high-quality rice grain silage
(5)Lactobacillus silagei sp. nov., isolated from orchardgrass silage
(6)カンショ焼酎粕濃縮液の給与が黒毛和種肥育牛における飼料摂取量,消化率,血漿中尿素窒素濃度および尿中窒素排泄量に及ぼす影響
(7)Diet-induced changes in UCP1 expression in bovine adipose tissues.
(8)ロールベール流通のための生産履歴管理システムの開発_x000D_
1. システムの構築と生産法人における検証

(9)Effect of substituting brown rice for corn on lactation and digestion in dairy cows fed diets with a high proportion of grain
(10)Effects of moisture control, addition of glucose, inoculation of lactic acid bacteria and crushing process on the fermentation quality of rice grain silage.
(11)Plasma 8-isoprostane concentrations and adipogenic and adipokine gene expression patterns in subcutaneous and mesenteric adipose tissues of fattening Wagyu cattle.
(12)近赤外分光分析によるソルガム穀実の飼料成分および抗酸化活性の推定
(13)Changes in the concentrations of fumonisin, deoxynivalenol and zearalenone in corn silage during ensilage
(14)Lactobacillus oryzae sp. nov., isolated from fermented rice grain (Oryza sativa L. subsp. japonica)
(15)Milk production, nutrient digestibility and nitrogen balance in lactating cows fed total mixed ration silages containing steam-flaked brown rice as substitute for steam-flaked corn, and wet food by-products
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030203542
収録データベース研究課題データベース

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