寒地畑輪作における根圏の生物機能を活用したリン酸等養分の有効利用技術の開発

寒地畑輪作における根圏の生物機能を活用したリン酸等養分の有効利用技術の開発

課題番号2013023051
研究機関名農業・食品産業技術総合研究機構
研究期間2011-2015
年度2013
研究問題①土壌生産力の総合的管理による持続的生産技術の開発
大課題資源循環を進め化学肥料施用量の削減を促進する技術の開発
中課題寒地畑輪作における根圏の生物機能を活用したリン酸等養分の有効利用技術の開発
大項目食料安定供給のための研究開発
中項目(5) 地域特性に応じた環境保全型農業生産システムの確立
摘要土着菌根菌(AM菌)等の利用によるリン酸減肥技術に関しては、a) 地方独立行政法人北海道立総合研究機構と共同で前作効果を活用したダイズ栽培でのリン酸減肥の実証試験を実施した。その結果を総合的に解析し、菌根菌宿主植物を栽培した跡地でのダイズ栽培ではリン酸施肥量を3割削減できることを明らかにした。また、本技術は、土壌のリン酸レベルが中庸以上であり、収量が標準レベルの場合に適用で きることを認めた。b) 圃場からの採取土壌を用いた幼植物検定法のAM菌感染率は、圃場で栽培したダイズの感染率との間に明瞭な相関関 係を示さず、検定法の改良の必要を認めた。DNA抽出・定量によるAM菌感染率の予測手法を検討するため、滅菌土にAM菌胞子を接種するモ デル実験を行い、AM菌接種密度とDNA定量値に高い相関を認めた。c) 平成24年度に引き続きバレイショと春コムギでリン酸減肥試験を行い、前作効果は発現しなかったものの、AM菌宿主跡又は非宿主跡ともにリン酸減肥による収量低下が生じないことを確認した。d) 低温条件 におけるダイズのリン酸施肥と生育の関係を解析するためポット実験を行い、リン酸施肥に対する生育の反応は低温(14〜20℃)と通常温度(20〜26℃)の間で大きな差異のないことを認めた。
寒地における有機物分解や物質代謝を担う根圏の生物機能の解明に関しては、a) セルロースを500kg/10aの割合で土壌に添加して培養し、ダイズをポット栽培したところ、菌根菌感染率が60%程度の土壌ではダイズのリン酸吸収が最大で2倍程度促進されることを認めた。b) 根圏での生物機能や植物への養分供給能に関与する根分泌物組成を植物種間で比較解析するため、土壌と根をメッシュフィルターで分離し根分泌物を回収できる新規の根箱を試作した。c) ダイズ2品種「トヨハルカ」と「ユキホマレ」の収量性を比較し、「トヨハルカ」は「ユキホマレ」に比べて、微量要素施用量が多い場合に堆肥施用による増収効果が大きいことを見出した。d) ダイズが乾燥ストレスを受けると 、葉身のクエン酸/リンゴ酸比が低下することを明らかにし、乾燥ストレス指標の候補であることを認めた。e) 伏流式人工湿地ろ過システムの有機物や窒素の浄化効率は、季節的には冬季から春先にやや低下すること、経年的には冬季も含めて安定して向上することを確認した。また、鉛直流ろ床において流出水を循環することにより窒素浄化効率の向上に成功した。
研究分担岡紀邦
協力分担関係道総研十勝農試
道総研中央農試
後志農業改良普及センター
空知農業改良普及センター
JA いわみざわ
北海道大学大学院農学研究院
予算区分技会交付金研究 農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業 委託プロ[気候変動プロ] 文科省[科研費] 文科省・JST競争的資金 環境省・その他
業績(1)Cellular Imaging of Cadmium in Resin Sections of Arbuscular Mycorrhizas Using Synchrotron Micro X-ray Fluorescence
(2)黒ボク土壌における土壌微生物バイオマスリンとインゲンマメのリン吸収量との関係解析と各種有機物のリン資材としての評価の試み
(3)Estimating Phosphorus Availability in Andosols Using Soil Biomass Phosphorus as an Indicator
(4)Design and performance of hybrid constructed wetland systems for high-content wastewater treatment in the cold climate of Hokkaido, northern Japan
(5)Seasonal efficiency of a hybrid sub-surface flow constructed wetland system in treating milking parlor wastewater at northern Hokkaido
(6)寒地畑輪作におけるアーバスキュラー菌根菌の利用可能性
(7)短節間カボチャ‘TC2A’の水田転換畑での栽培における窒素施肥量及び施肥回数の検討
(8)アーバスキュラー菌根菌宿主跡のダイズ栽培ではリン酸施肥を3割削減できる
(9)Aroma Characteristic and Volatile Profiling of Carrot Varieties, and Quantitative Role of Terpenoid Compounds for Carrot Sensory Attributes
(10)Effects of load fluctuations on treatment potential of a hybrid sub-surface flow constructed wetland treating milking parlor waste water
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030203570
収録データベース研究課題データベース

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