④ 家畜の行動・繁殖の制御機構の解明

④ 家畜の行動・繁殖の制御機構の解明

課題番号2013023132
研究機関名農業生物資源研究所
研究期間2011-2015
年度2013
研究問題2.農業生物に飛躍的な機能向上をもたらすための生命現象の解明と利用技術の開発
大課題(1)農作物や家畜等の生産性向上に資する生物機能の解明
中課題④ 家畜の行動・繁殖の制御機構の解明
大項目第2 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置
中項目1.試験及び研究並びに調査
摘要これまでに開発した擬似グルーミング装置を用い、仔ウシの利用性と増体重におよぼす影響を調査したところ、装置を利用した仔ウシは 、新規環境に慣れやすい傾向にあること、雄では群編入後の日増体重が有意に増加することが明らかとなった。擬似グルーミング装置は母親の代替として仔ウシの成長に好ましい影響を与えることが示され、特許出願した。
2.夜間のウシの眼瞼・眼球動作をビデオ解析すると同時に、生体センサーを用いて自律神経緊張度を並行して記録、解析したところ、覚醒・まどろみ・ノンレム睡眠・レム睡眠などの覚醒・睡眠レベル間で自律神経緊張度に差がある傾向があることがわかり、この手法がウシのストレス状態の客観的評価法として利用できる可能性が示された。
3.ウシにおける成長ホルモン分泌に関わるドーパミンの役割を検討したところ、成長ホルモン分泌はドーパミン前駆体により増加し、ドーパミン受容体アンタゴニストにより抑制されることが明らかとなり、成長に大きく影響を与える成長ホルモン分泌日周リズム形成にドーパミンが関与していることが示唆された。
4.繁殖調節中枢であるKNDy(キャンディー)ニューロン作用機構解明に向け、ヤギにおいてKNDyニューロン神経活動記録部位に直接ニューロキニンを微量投与して神経活動におよぼす影響を解析したところ、ニューロキニンは神経活動を促進することが示された。この結果は、末梢に投与したニューロキニン作動薬の作用部位が視床下部のKNDyニューロンであることを示し、開発中の作動薬の、体内での安定性強化のための設計に有用な情報を提供する。
5.ニューロキニン作動薬による新たな家畜の卵胞発育制御技術開発に向け、新規化合物80種についてヤギのKNDyニューロンの神経活動を指標として活性評価を行い、48種について繁殖中枢刺激作用を持つことを確認した。共同研究者によるin vitro活性評価の成果と合わせ、新規化合物を繁殖制御薬候補物質として特許出願した。
6.ウシ超早期妊娠診断のマーカーとなる遺伝子同定に向け、子宮内膜組織の遺伝子発現についてマイクロアレイを用いて解析したところ、発情周期中の子宮に比べ妊娠超早期(人工授精後15日目)の子宮では、胚の存在する側で発現が変動する遺伝子数が多く、胚の存在しない側ではそのような変動は少ないことが示された。
7.受胎性に関わる因子を同定するため、長期不受胎牛と正常に受胎する牛の子宮内膜発現遺伝子をマイクロアレイ解析により比較したところ、正常牛と比較し長期不受胎牛で、最も発現の低い遺伝子としてクロモグラニンAが、最も発現の高い遺伝子としてグルタチオンSトランスフェラーゼA3 が同定された。今後、これらの遺伝子発現と暑熱期における受胎性低下との関連を検討する。
8.培養ウシ栄養外胚葉細胞にアドレノメデュリンを添加してその影響を解析したところ、アドレノメデュリンにより栄養外胚葉細胞における胎盤ホルモンの発現が抑制され、線維芽細胞成長因子や線溶系因子の発現が亢進することがわかった。アドレノメデュリンは栄養外胚葉細胞において細胞増殖や遊走制御により胎盤機能調節因子として重要な役割を担っていることが示唆された。
研究分担岡村 裕昭
矢用 健一
粕谷 悦子
作本 亮介
若林 嘉浩
林 憲悟
山村 崇
協力分担関係岡山大学
予算区分技会交付金研究 委託プロ[気候変動プロ] 委託プロ[次世代ゲノム基盤プロ] 文科省[科研費]
業績(1)Expression of ADAMTS1 mRNA in bovine endometrium and placenta during gestation
(2)Proliferation of luteal steroidogenic cells in cattle
(3)Different expression of PGE synthase, PGF receptor, TNF, Fas and oxytocin in the bovine corpus luteum of the estrous cycle and pregnancy
(4)Plasma cortisol and prolactin secretion rhythms in cattle under varying external environments and management techniques
(5)Ovarian and hormonal responses to follicular phase administration of investigational metastin/kisspeptin analog, TAK-683, in goats
(6)Potential role of transient receptor potential channel m5 in sensing putative pheromones in mouse olfactory sensory neurons
(7)Identification of an olfactory signal molecule that activates the central regulator of reproduction in goats
(8)Dynamic expression of SOLD1 in bovine uteroplacental tissues during gestation
(9)A population of kisspeptin/neurokinin B neurons in the arcuate nucleus may be the central target of the male effect phenomenon in goats
(10)Differential effects of continuous exposure to the investigational metastin/kisspeptin analog TAK-683 on pulsatile and surge mode secretion of luteinizing hormone in ovariectomized goats
(11)Relationships of neonatal plasma oxytocin with the behavioral characteristics of cattle introduced into a novel environment
(12)カリウムと窒素の同時制御による泌乳牛の尿量低減化
(13)Temporo-spatial expression of adrenomedullin and its receptors in the bovine placenta
(14)Immunohistochemical evidence for the presence of various kisspeptin isoforms in the mammalian brain
(15)Effects of intracerebroventricularly administered carbetocin on social behavior in Holstein steers
(16)Gene expression of bovine vomeronasal receptors
(17)Dynamics of CD3+ T-cell distribution throughout the estrous cycle and gestation in the bovine endometrium
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030203659
収録データベース研究課題データベース

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